消費者の生活に即した商品を
60歳代以上のシニア層をメイン顧客とし、家具インテリアなどを通信販売する、日本直販(トランスコスモス/東京都渋谷区、奥田昌孝社長)。
今号では同社の日本直販事業マーケティング部MD課、石丸聖道課長の商品選定眼に焦点をあてた。石丸氏は、インテリア関連商品を担当し、特に大物家具や敷物、寝装品に特化する。
「シニアのお客様が見て、欲しいと思う商品選定が基本」と同氏。家具であれば基本的には完成品をセレクトする。組み立ての手間を敬遠するシニアの要望に応えた形だ。「配送料の値上がりは深刻化し、各店舗や通販企業は大型商品を敬遠する流れ。しかし、当社は最後まで顧客の要望に応えるため完成品を扱っていく」と話す。商品価格に反映される分は、機能や特徴をしっかりと説明すれば問題ないと強調。加えて、シニア層にとっては「国産」も大きな訴求ポイントだといい、国産品にもこだわりをみせる。
また、品揃え・低価格路線で訴求する販売店やECが多いなか、“お店に行っても、似たような商品が多すぎてどれを選んだら良いかわからない”と戸惑うシニアも多い。同社は、同系統の商品を扱う場合にも明確な差を付け、わかりやすさ・選びやすさを意識したラインナップとしている。「夏向け寝具なら一つは化繊の涼感寝具、もう一つは吸水速乾に優れた綿素材など、好みに合わせて選んでいただける、わかりやすい商品構成を意識している」。
同社は新聞、ラジオ、テレビ、カタログ、ECと、通販企業のなかでも一際多くの販売チャネルを展開しているが、石丸氏は、それぞれの媒体に適した商品選びを強く意識しているという。
例えば、ラジオでは寝具寝装品の売れ行きが良いそうだ。寝装品は、サイズがわかりやすい、機能説明しやすいことなどがラジオ販売に強い要因。一方で、サイズバリーションが多く、ビジュアル訴求が重要な大型家具は売りにくい商材だという。
テレビでは背伸ばし機能が付いている座椅子など、映像で動作を伝えられる商品が好調。「通販企業でも、当社ほど多くの販売チャネルを持っているところは少ない。仕入先にも、“こういう機能はないか、こういった商品ならばテレビ通販はどうか”など逆に提案させていただくこともある」と語る。
現在、家具インテリア商材で最も興味があるものは「顧客のリアルな生活状況にマッチする商品」だという。
一例をあげると、コの字式の脚の折りたたみ小型テーブルが好調だ。簡単に折りたためて収納もでき、3タイプの高さ展開により、コタツ、リビングテーブルとの併用、鍋など調理器具の多い食事をする時の補助テーブルなど、様々な場面で活用できることが受けている。「具体的な生活シーンの提案がしやすい商品は好調。今後強化していきたい分野である」と語る。シニアを中心とした、顧客の生活に寄り添う商品を求めているという。(大塚)
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