エーディックス 東京インターナショナルギフト・ショー2023へ出展 -e-DICS-

エーディックス(京都市南区、佐野秀男社長)が、第95回東京インターナショナルギフト・ショーに出展。多くの来場者に様々なインテリア商品と、そのアイテムを活かした空間提案を行った。
 同社は今回のギフト・ショーで7小間を設けて展示。基幹ブランドである「a.depeche(アデペシュ)」を中心に、これまでの展示と大きくスタイルは変えずに、ライフスタイルショップの形をとったメーカー機能を訴求した。

主な展示品として、大型家具ではメラミン天板のテーブルなどを展示。テーブル表面にメラミン加工を施しつつ、側面は木縁とし、脚先は真鍮色仕上げとすることで、コントラストをより際立たせている。ナチュラル路線の製品提案が多かった同社だが、これまで同社の商品を購入してきたユーザー層は戸建て住宅に住むユーザーの比率が高く、マンションに住むユーザーは少なかったという。戸建てはナチュラル、マンションはモダン志向のアイテムがショールームなどでも置かれる傾向にあることから、ナチュラルとモダンの両方の空間に対応可能なミックススタイルの製品を展示し、様々な空間に配置できるという点を訴求した。

また、多彩な柄が特徴の優厚絨毯「pell series」は、手織り機で仕上げられたアート性のあるデザインを施した製品。15㎜の厚みで高級感と優しい肌触りが特徴の製品を大々的に提案した。日本に多く流通している絨毯は、民族衣装など原産国の特徴や効率性を重視し、「どちらかと言えば市場のニーズよりも開発側の一方通行な提案が多い」と同社の小原常務。「pell series」は日本人のユーザーが「より現代風のものを求めているはず」という仮定の上、同社のグラフィックデザイナーがデザインした案をもとにインドの織工場が製作した。一般的な絨毯と比べて製作に労力はかかるものの、その分こだわりのつまったオリジナルデザインの製品となっている。遊離ホルムアルデヒド検査などを実施し、安全なアゾフリー染料を使用するなどの安全・環境配慮もユーザーに評価されているようだ。

【雑貨から大型家具まで、オリジナルの商品開発によるクロスセルを狙いブランディングを強化】

同シリーズにおいては、絨毯と同じデザインが施されたチェアパッドも人気急上昇中。ユーザーによっては、板座の座面フォルムを好んでチェアを購入した後、座り心地が合わないためにチェアパッドを購入するといったケースも多い。チェアパッドは絨毯よりも手ごろな価格で購入可能であることや、絨毯と同じ柄を何種類も取り揃えていることからクロスセルが起こりやすいといい、同じデザインで揃えたいというユーザーのニーズにも対応できる。インテリアの小物雑貨から大型家具まで、様々なアイテムによるクロスセルを狙う同社のブランド展開の姿勢が色濃く表れたブースとなっていた。

家具の卸業を15年ほど手掛けてきているエーディックスだが、家具という製品そのものの「モノの訴求力」に関して、限界を感じた面もあったという。例えば、アパレルなどと比較して「この家具はどのメーカー(ブランド)のものか」といった質問がユーザーから寄せられることは少ない。同社はその点に着目し、家具でも一般の認知を高めていけるようなブランディングに取り組みたいとする。インスタグラムの活用も積極的に取り組んでいる同社は、毎月約1500人のペースでフォロワーが増加しており、現在のフォロワー数は約8・7万人を数える。来年には、アデペシュの他に新ブランドの立ち上げを予定。昨今のトレンドを踏まえながら、既存の市場にはないブランド観として、アデペシュよりもグレードを高めた、40代以上の女性を主なターゲットとしたブランドとなるようだ。

同社は近年、直営店の展開にも力を入れており、この3月にららぽーと愛知東郷(愛知県東郷町)、4月にららぽーと門真(大阪府門真市)、6月にはグランフロント大阪(大阪市北区)に新規出店を予定。特に人口密度の高いエリアに出店した上で、知名度の向上とユーザーからの信頼をさらに獲得することでブランディングの強化を進めるとし、来年には東京都内への新規出店も計画している。今後も新たな価値を市場に創出し、他メーカーと切磋琢磨しながら住空間のクオリティ向上への貢献を図る。(佐藤敬広)

エーディックス 企業WEBサイト:https://e-dics.co.jp/