カンディハウス マンションサイズ、カバーリングソファ「IKOR」発売、特注品のベンチ「NAKKA」も製品化へ

カンディハウス(北海道旭川市、染谷哲義社長)は旭川デザインウィークで、家庭向け、コントラクト向けにそれぞれ新作を発表した。

「IKOR」

家庭向けの新製品は「IKOR(イコロ)」ソファ。アイヌ語で宝物という意味で、リビングでくつろぐ時間にもっと価値を見出して欲しいという願いを込めて命名したという。サイズが従来品よりコンパクトに製造されている点が最大の訴求点だ。張地をエンドユーザーの手で交換できるカバーリング機能も興味深い。
「これまでカンディハウスは大きなソファが多く、コンパクトサイズは少なかった。マンションへの搬入が難しいという声も度々聞かれたので、今回マンションサイズを意識して開発した。サイズは複数あり、L字にも組めるシステムソファーで、いずれも幅は2000ミリ以内、奥行きは760ミリに収めた。デザインウィーク期間中の来場者からは、特に座り心地とサイズ感に高評価を頂いている」とデザイン企画本部の岩間大介氏は語る。カバーリングについては、これまでも近い機能を持つ製品はあったが、エンドユーザー自身での実施は難しかった。消費者だけでなく販売店からも、自宅でカバーを交換出来るようにしてほしいという要望は多かったという。
カバーリングにすると座クッションのシルエットをきれいに維持しにくい点が課題だった。今回はクッションが柔らかくても、きれいなシルエットが保てるよう工夫をこらし、カバーリング機能を実現したという。腰をおろすと確かに柔らかい座り心地だ。それでいて座面に跡がつかない。羽毛の下にプロファイルウレタン、低反発ウレタン等を入れて、柔らかいのに崩れにくい構造に仕上げたのだという。座面がレザータイプのものもあるが、レザータイプはカバーリングに対応していない。
同製品は様々なサイズが用意されており、シートの高さはコントラクトを意識し三種類。サイズもコンパクトなもの、より大型なものもあった。

その他、「ATILLA(アティラ)」ソファではワンアームタイプやオットマンを追加製作し、やはりマンション市場に対応するべくプロダクトレンジの拡充が行われた
旭川デザインセンターのブースでは2401ミリ以上の無垢天板テーブルに設定された縦継ぎ加工により製造した3400ミリサイズのテーブルが展示された。北海道産材では大型サイズに必要な長さに満たないものも多いが、同社の技術力で実現したことを訴求している。

「NAKKA」

また、旭川デザインセンターの「旭川の特注家具展」には「NAKKA(ナッカ)」も展示された。大阪中之島美術館館内の共用空間向けに納められた特注品のベンチだ。北海道産材を緻密に加工し、組み合わせてつくられた格子状のベンチで、等間隔に配列されたナラ材が同社の技術力の高さを控えめに主張しているようにも見える。デザインウィーク以降から、一般のコントラクト向けにも販売を開始するという。