【リビングデスク/学習デスク製品特集】コイズミファニテック、学習机家具新製品発表会開催 為替、物価、消費マインド、諸課題に向け安価モデル訴求

 コイズミファニテック(大阪市中央区、若林俊宏社長)は6月28日より2日間、学習家具商談会を開催した。

 今年はデスク関連分野では学習机、書斎向け、チェアの新製品が発表された。昨年はコロナの影響もあり、電動昇降機能を持つアルテージなど、在宅ワークやパソコン作業に注目した製品が目立ったが、今回は学習机も盛り返した。
 学習机では、STEPUP DESK M(ステップアップデスクM)シリーズが新設。これまでステップアップデスクLを扱ってきたが、Mはサイズ、標準付属品ともよりコンパクトに変化。
 ステップアップデスクLではデスク本体、資料等を収納するワゴン、デスクライト、そしてシェルフを1つのセットとして販売していたが、ステップアップデスクMではデスクとマルチラックのみという最小限の構成から購入が可能だ。価格も従来品より抑えて販売する。物価が上がり、消費マインドが冷え込む市況に対応すべく、購入しやすい価格帯に設定、拡販を狙うという。同社学習机は中国、マレーシアやインドネシアでの生産が主。そのため急激な為替の変化も大きな障壁となった。同製品はコストの合理化と市況対応の両輪を担うことが期待される。

「ミニマル」
「リシェル(仮称)」

 ステップアップデスクMはminimal(ミニマル)とReshel(仮称 リシェル)の2つのシリーズで構成。
 ミニマルは素材感の強い木製のデスクで、リシェルは木と白、もしくは黒を組み合わせた2トーン系のデザイン。機能に大きな差はないが、学習机の位置づけながら、幼少時代から大人までが自室に設置しても違和感のないデザインに仕上げている点が特長だ。
 ミニマルは低学年にも受け入れやすいデザインで、大人になっても使える色合。一方リシェルは小学校の中学年から大学生、または大人までを狙ったスタイリッシュなデザインとした。
 小学生低学年など、学習習慣のついていない子供は、親がリビングで見守りながら学習するスタイルが一般的だ。購入したデスク本体は自室に置いて、付属するマルチラックはランドセルや勉強道具を収納できるためリビング学習をサポートする。成長して自室学習が可能な年齢に達した時、マルチラックも自室のデスク横に移動させる。年齢に応じて柔軟に対応できるのも訴求ポイントの1つだ。
 低学年のリビング学習が一般的になり、ランドセルラック(同社はマルチラックという名称)は家庭で主流のトレンドとなった。コイズミファニテックの調査でもこれまで、まずマルチラックを単体で購入し、数年後にデスクを購入するユーザーが多かったという。今回はこの2つの商品をセットにし、単体で買うよりも価格面でメリットが生まれるようにした形だ。
「デコプリシリーズ」など従来多くみられた少年少女向けのデザインを持つ学習机はかなり少なくなり、中性的で全年齢対応型のデスクが売上の中心を占めるようだ。

「ウォルビー」

 書斎向けデスクでは、NESTIS(ネスティス)とWaLLBE(ウォルビー)の2種が新作として展示された。ネスティスはカスタマイズ性に重きがおかれた。天板はホワイトオーク突板かメラミン素材を選択可能、サイズも多数用意し、さらにメラミン素材の場合幅は90~220センチ、奥行きは50~60センチの1センチ単位でカスタムオーダーすることもできるという。
ウォルビーは壁面に沿って設置する書斎向けデスク。デスク、シェルフ、キャビネット、ハンガーラックなどのユニットとフレームを組み合わせて自分好みにカスタマイズできるところが訴求点。コロナ禍を経ていかにこだわったアイテムを揃えるか、という需要が増えていることに着目。スリムなデザインだが、背板があることで横揺れ対策もされているという。
 椅子の新製品も展示された。従来のゲーミングチェア同様の機能性を持ちながら、小さめのサイズ感でインテリア性を高めたデザインのNOUVEAU(ヌーボー)は、在宅ワークを行う女性層をターゲットにしているようだ。
ハイタイプとミドルタイプの背もたれのあるTONAL A1とA2(トーナルエーワン、エーツー)や、昨年発表した電動昇降機能付きデスク・アルテージ向けのスツールも追加された。
 デスクマット・デスクカーペットも新製品を発表した。ポケモンやリラックマ、クロミ、すみっこぐらしなどのキャラクターをあしらった新製品が並ぶ。大人気キャラクターのちいかわのデスクマットも1月から発売を開始しており、売れ行きは非常に好調という。障がい者アーティストの自立支援活動につながる「パラリンアート」のデスクカーペットや、耐久性・耐水性に優れた素材のチェアマットなども発表された。