スケーター 第19回社内展示会開催 書店へのキャラクター雑貨導入を推進 家具販売店への販路拡大も視野に

スケーター(奈良県奈良市、鴻池総一郎社長)が、第19回社内展示会を、同社奈良本社、東京営業所、福岡営業所の3か所で開催した。

2024年1月30日~2月2日にかけて開催された東京営業所での展示会には、約1400名が来場し盛況となった。同社は基本的に年2回の展示会を開催しており、夏場の展示会は主力ラインナップである入園入学商材の新商品・新デザインの発表会だ。そして、1月末頃から開催の展示会は、新カテゴリの商材がメインで、キーホルダーやヘルメットなどをラインナップ。これまでになかったカテゴリのラインナップの周知を図った。

このほか同社は、2月6日~8日に開催された東京インターナショナル・ギフト・ショー2024春にも出展している。

同社の商材はランチボックスや水筒を基本とし、いわゆるキャラクターIPを施した商品が、全体の約85%を占めている。歯ブラシやマスクや絆創膏などの衛生消耗品などを基軸に、キッチン用品や行楽用グッズ、キーホルダーなどの雑貨系アイテムのラインナップも拡大。約4年前から、長靴などのレイン関係の商品も拡大するなど、会社方針である成長戦略によって、品種の拡大を推し進めている。

様々な商品を展開する同社だが、新型コロナウイルス感染症の位置づけが五類へと緩和されたことを受け、ランチボックスなどの需要が昨年5月頃から回復するなど、行楽用の商品の売上が回復した。反面、2年前に需要のあったキャラクターマスクについては、新型コロナの五類移行の時期を境に売れ行きが止まったという。しかしながら、同社の品種別売上の実績では6、7番目をキープしているようだ。

昨今はインバウンド需要が復活している状況だが、同社の取引先でも、リアル店舗でインバウンドの恩恵を受けている企業は、全国的に軒並み好調とのことだ。対して、地方のロードサイドなどに展開する国内需要中心型チェーンストアなどは、全体的に業績は厳しいのが現状だという。

同社営業本部東京本部の前田祐志次長は
「コロナ禍前、2019年のインバウンド需要の際と、現在のインバウンド需要とでは、日本発祥のIPキャラクターの人気が、世界的により高まっていることが大きな違いです。日本で生まれたキャラクターが、全般的にキャラクターのいまの市場をけん引しているといっても過言ではないと思います」
と語る。同社ではディズニー関係のキャラクターグッズも豊富に取り揃えているが、海外発祥のキャラクターアイテムについては、その本国などで購入できるケースもあることから、海外からの観光客は日本の地ならではの日本発祥のアイテムに注目する傾向が顕著になってきているようだ。

日本発祥のキャラクターでは、例えば「ちいかわ」などは、コロナ禍でのSNSによって人気を集めている。それ以前ではゲームやアニメといったコンテンツからのキャラクターが人気を集めていたが、コロナ禍ではSNSなどによって、それ以外のコンテンツからも多種多様な人気キャラクターが発出されるようになった。海外からの観光客も、SNSで日本のキャラクターの情報を得ているようだ。

同社は西松屋やしまむらといった衣料品店や雑貨店などを販路にもつが、近年は販路拡大にむけ、書店へのアイテム導入も進めている。キャラクター雑貨の取り扱いは、これまではカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するTSUTAYAや蔦屋書店などで例があった。近年ではイオングループでイオンモールに出店している未来屋書店などへ導入が進んでいる。昨今の書店業界は、活字離れ・書籍離れが進んでいることもあり、「実物の本や文具の販売だけでは厳しい」という声が多く出ているという。そのため、テコ入れとしてキャラクター雑貨などの販売を行う店舗が徐々に増加しているようだ。

未来屋書店はショッピングモール併設の書店だが、同じく複合商業施設である総曲輪フェリオ(富山県富山市)内の紀伊国屋書店にも、同社のキャラクターグッズコーナーが昨年末から期間限定で設けられている。グッズと関連のあるキャラクターの書籍を並べることで、本と雑貨の双方を購入するユーザーもみられるなど、一定の相乗効果があるようだ。今後も旭屋書店の店舗へスケーターコーナー導入を予定するなど、徐々に特設コーナーを設ける書店を拡大している。

スケーターはこのような書店に加え、家具販売店へのキャラクター雑貨導入を進めていきたいとしている。現在はニトリのデコホーム店舗などで、スケーターのキャラクター商品の取り扱いがあるというが、ホームセンターなど含めてアプローチを図る方針のようだ。一部の家具販売店では、同社の収納ボックスなどのアイテムが、子供部屋をイメージした販売区画に並べられているケースもある。前田氏は「業界的にはキャラクターアイテムに対する寛容性は高まっていると感じています」と話すなど、新たな販路の拡大に向けて期待をにじませた。

※写真はすべて東京インターナショナル・ギフト・ショー2024春での同社ブースのもの(佐藤敬広)