飛騨産業 東京と町田市と街路樹活用の事業連携協定を締結

飛騨産業(岐阜県高山市、岡田明子社長)は、東京都町田市と、老木化・大径木化により伐採した街路樹の新たな価値を生み出す取り組みを実施するため、「町田市街路樹更新計画に基づく発生材の活用事業」に関する事業連携協定を2024 年3 月29 日(火)に締結したと発表した。

町田市では、高度経済成長期の道路整備において多くの街路樹が植栽されるようになったが、その後も緑豊かな都市を目指し、積極的な街路樹の植栽・管理を行ってきた。その結果、現在の街路樹は高木が約1万5600本、植樹桝面積が約8万3000平方メートルと、高木については東京都内の市区町村道の中でも上位となる本数を有している。

街路樹は、道路付属物として交通安全機能のほか、環境保全、景観向上、防災等の機能を果たすと同時に市民や通行人に対して「親しみ」、「潤い」、「やすらぎ」を与え、良好な沿道環境の形成に寄与してきた。その一方で、植栽から50年近く経過しているものも多く、老木化・大径木化に伴い、街路樹本来の機能を損なう等、現在のストックを管理するには様々な課題が生じている。同市では「みどりの保全」、「安全性の確保」を前提としつつ、「良好な環境と景観の形成」に寄与する街路樹のあり方やメリハリをつけた効率的な管理の再検討を行い、これまでの「量の拡大」から「質の向上」へ転換を図るため、街路樹の特性・樹形や周辺環境との調和等について、路線ごとに適切な更新計画を策定した。

本事業において飛騨産業は、同社が培ってきた国産材を活用する技術力を活かし、老木化・大径木化により本来の機能を損なうことから伐採された街路樹を「新たな資源」として活用。街路樹の新たな価値を創出する。 伐採された街路樹は一般的に廃棄物として処分されてきたが、街路樹更新計画を推進することで街路樹伐採が増加することから、本協定を結び、街路樹の個性を活かした木工製品の商品化や公共空間などでの利用を検討する。これにより、街路樹のカスケード利用を推進し、再資源化により街路樹環境を新たな循環型社会のビジネスモデルとして確立し、地域課題の解決を目指すとしている。

連携項目としては、
(1)発生材の活用方法の検討に関すること
(2)発生材を活用した商品開発に関すること
(3)発生材を活用したビジネスモデルの確立や事業化の検討に関すること
(4)発生材を活用した商品のマーケティング、ブランディング及びプロモーション活動に関すること
(5)発生材の活用により町田市の魅力創出や向上につながる事業の企画及び実施に関すること
(6)その他、本事業の目的達成に有効と考えられる事項
を挙げる。また、今後予定している取り組みとして、小田急線鶴川駅の旧北口交通広場のシンボルツリーである「メタセコイア」のメモリアルシンボル化、町田市庁舎や市有施設の木質化の展開、市内店舗やオフィスへの什器展開や事業者との製品コラボ等伐採木の希少性を活かしたブランディングの検討などを予定している。