日本ボランタリーチェーン協会(VCA) 令和6年全国大会開催 教育・広報・VC加盟企業の拡大に注力

一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会(VCA:東京都台東区、井原實会長)は2024年6月6日、上野東天紅において、第58回全国大会を開催した。

会の第一部は「近年の働き方改革の注目点・事例~人材不足&大変革時代を切り抜けるための働き方改革の成功の鍵」をテーマに、コクヨ㈱働き方改革PJアドバイザーの坂本崇博氏が記念講演を行った。同氏はこれまでの経歴や取り組みについて冒頭で述べたのち、1970年代~2010年代の働き方についてまず触れ、日本では半世紀前からすでに「働き方改革」が行われていたとし、過去30年間の生産性向上例について説明した。そのうえで、2020年代の働き方改革について①イノベーションを起こすための働き方改革②人材確保・人的資本の価値最大化のための働き方改革を軸として、これからの時代の働き方に関する注目点、情報収集の在り方などを語った。

第二部の懇親会は、冒頭でVCAの井原会長が挨拶。「VCAの会長に就任してようやく一年が経ちました。昨年一年をかけて、VCAは何をやるべきなのかということで、存在意義(パーパス)を改めて議論しました。やはり、ボランタリーチェーンの継続的な発展と、普及を目的とするということで、今のVCA本部の課題はいったい何であるのかということを、会員の方々を中心にお伺いしました」と話した。課題解決のため、広報、教育部会、そしてボランタリーチェーン拡大のための拡大部会の三種の部会を設けたとし、教育ではリテールマーケティングセミナーの定期的開催を今後行う。参加料は一律5000円とし、参加者の意見などをくみ取りながら推移を見ていくとした。またVCA加盟社を募集するため、新たにフランチャンズ・ショーに出展。ボランタリーチェーンへの興味や、一般への普及にむけた施策に取り組んでいることを明かした。広報誌の内容を刷新して、会員間のコミュニケーションや広報・普及にも力を入れていると井原会長は語った。

なお、来賓として、自由民主党衆議院議員の甘利明氏と小泉進次郎氏、経済産業省大臣政務官の吉田宣弘氏、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部、小林大樹氏代理の宮下雅一氏が挨拶。

甘利氏は「関係各所のみなさんが結集したボランタリーチェーンのネットワークを活かして、合理性や事業努力を発揮していただきたいと思います。デジタル化、情報化が進展しますが、個展・チェーンとして培ってきたノウハウをというものを皆で共有して活かしながら、全体を強くしていけるでしょう」とし、「働き方改革、現場の声をしっかりと受け止めて、政策に改善していくのが我々の仕事でもありますから、政府へのアイデア、ご意見をお寄せいただければと思います」と語った。

続いて小泉氏は「VCAには様々な業界の企業が集まっておられますが、共通する一つの課題は物流です。私は現在、党の中で食品ロスの課題に取り組んでいるのですが、『物流のことを考えた結果、賞味期限の表示を年月日表示から年月表示へと変えるに至り、様々な見直しのなかで賞味期限をのばすことができた』企業の話を聞きました。物流の働き方改革にともなう、賞味期限表示の変更ということで、あらゆるところに物流問題が余波を与えていることが分かりました」とし、改めて、この制度を作っている側の政治が、『現場がどのような思いをされているか、どんな苦労をされているか』ということを、よりよく理解しなければいけない。謙虚に真摯に向き合わなければいけないと思っています」と述べた。

なお、乾杯の発声は、中小企業基盤整備機構理事長の宮川正氏がおこなった。また新規賛助会員として、パーストワン㈱、日新火災海上保険㈱が紹介された。

(佐藤敬広)