――今年の「タカショーガーデン&エクステリアフェア(TGEF)2024」は、プロユース向けの展示を充実させていらっしゃりましたが、まずこの提案の背景についてお伺いできますか。
髙田 今年のTGEFでは、コントラクトの領域を増やしました。コントラクトの引き合い・実績が非常に良いという背景がまずあります。当社ではずいぶんと前からコントラクトには力を入れていました。例えば、ホテルなどに行かれたお客様が、「ホテルの設備・シーンが良かった」ということで、家庭用にその製品をお求めになるケースもありました。
昨今は戸建て住宅の需要が減ってきてはいますが、一般住宅向けの製品開発を止めるというわけではありません。当社には提案できるツールなどを開発し、製品化してきていますので、再びこのコントラクト市場にも再注力をしていきたいと考え、今回のような展示構成としました。
――そのような中で、特に今回のTGEF2024の見どころは、どのようなところが挙げられたでしょうか。
髙田 商材としてコントラクト提案は充実させましたが、それとは関係なく、今回の展示構成も入口から展示提案をスタートさせています。ファサードも8つのスタイル提案を行っており、ただ単に「フェンスを購入してください」「門扉を購入してください」という提案はしていません。エクステリアにおいては、お客様から「この商品が絶対に欲しい」という回答はないのです。
たとえば、住宅をあるスタイルで建てられた方に対して、それに合わせて「このようなスタイルのエクステリアがあります」と提案することで、「このような製品が欲しかった」となることが多いと思います。このように「スタイル」をどんどんとパッケージ提案していくことで、より具体的な形で提案しています。
このようなスタイル提案は、施工店さんの視点からだと、手間のかかることですから、ここも当社がパッケージサイトを設けて、プランを登録しています。施工店さんには、このサイトからダウンロードして使っていただくことができる、といった流れを作っています。
――競合他社と比較して、御社の強みと、今回の展示会でその強みをどのように展示できたかを教えていただけますか。
髙田 当社は、お客さまの趣向に合わせた提案をきめ細やかに行えます。屋外用家具も取り扱っていますが、それのみを取り扱っているわけではなく、庭周り全体の製品提案も行っています。したがって、総合的な空間の提案力があるということが、一番の強みだと思っています。
人気なのは、エバーアートウッドシリーズをはじめとするアルミ製品です。そのなかでも特に、エバーアートボードが好評をいただいています。建材は、室内用には様々な製品がありますが、屋外用となるとその数は限られます。
当社の製品は外でもしっかりと使えるというところで、それが徐々に認知されてきています。新築でも、アルミ材製品で整えることができますし、リフォームでもブロックを張り替えるなど、ニーズに応じた様々な使い方が可能です。そして当社の社員が、その商品の使い方をお客様にきちんとお伝えできるようになってきました。したがって、エクステリア業者以外の方々でもお使いいただくケースが増えてきたのです。
――タカショーグループとして、DXへも注力されています。取引先もDX導入を進めていらっしゃるところが増えてきているのでしょうか。
髙田 当社でもDXツールなどを展開してお客様におすすめさせていただいていますが、まだ認知をしっかりと行えていません。日々の業務に追われて、なかなかそのDX化まで手が回らない方もいらっしゃるかもしれませんし、このDXツールによって具体的にどのように業務が効率化するかといったことを、当社からしっかりと伝えることができていないことも一因ではあると思います。しかしながら、引き合いは徐々に増えてきています。
――髙田常務は、タカショー入社後、営業のご経歴が長いのですか。
髙田 入社後30代になってからも、企画を手掛けながら営業を行っていました。そして今現在でも新規顧客獲得のために営業しています。私自身もきちんと営業していかないと、どのようなお客様を想定して営業していけばよいかがわからず、社内で共有することもできませんからね。TGEFの会場レイアウトについても、「このようなシーンを作ろう」「このようなパッケージを作ろう」など、私が考えて設定しています。
屋外用家具についても私が責任者ですので、「次はどのような家具を展開していこう」といった会議を先日開いたばかりです。私自身も、海外の家具見本市などによく視察に行きます。このように、次の製品展開について、きちんと上層部がその決定に携わることが大切だと考えています。現場レベルの話し合いで決めていくだけでは、市場競争に勝つことはできないでしょう。
――屋外用家具は、これまで以上により力を入れていかれるということですね。
髙田 今回の展示会でも、プロユース向けコントラクトでの屋外用家具提案を充実させています。反対にホームユース、一般用での屋外用家具となると、昨今は一般住宅で屋外用家具まで揃えていただけるケースはレアです。ただ、当社の屋外用家具の売上では依然ホームユース向けの割合の方が大きいですので、プロユース向け商品についても売上拡大のため、今回のTGEFを契機に攻め方を考えていきたいと思っています。
――最後に、今後の展望についてお伺いできますか。
髙田 力のあるインテリアコーディネーターの方々にご協力いただきながら、屋外家具の提案もより強化していきたいと考えています。「庭」を作れば、必ず屋外用の家具も必要となりますからね。
また、昨今は照明への関心も増えてきているので、グループ企業で照明製造を手掛けるタカショーデジテックの売上も伸長しています。照明は比較的安価で購入でき、そして効果が表れやすい。家の価値を2倍にできるアイテムが、屋外用照明なのです。このような照明についても、インテリアコーディネーターさんなどにも見ていただきながら、認知をより拡大していきたいと考えています。
(聞き手 佐藤敬広)