タカショーガーデン&エクステリアフェア2023 家と庭の心地よい豊かな暮らし提案

「フィフスルーム」で室内の延長に自然空間を

 タカショー(和歌山県海南市、高岡伸夫社長)主催の「タカショーガーデン&エクステリアフェア2023」が、東京流通センター(東京都大田区)の第一展示場 A・B・C・D ホールで開催された。タカショー単独開催による展示会として、約4500㎡の面積を使用し、商品の陳列のみならず多くのモデル空間の提案を行った。展示会場は、「ファザードエクステリアブース」「ガーデンブース」「庭・外溝リフォームブース」「非住宅向け提案ブース」の4つのブースで構成され、それぞれのテーマによる展示が行われた。 会場入口付近には、タカショーガーデンエクステリアフェアの略である「TGEF」の大きなサインと、今回の展示会のコンセプト「家と庭の心地よい豊かな暮らし 人が集まる魅力溢れる街並み」が掲示された。


 一番目のエリアである「エクステリア&ファザードデザイン」では、昨今注目の外観コーディネートとして「ジャパンディスタイル」を展示。これは日本と北欧の住宅文化のテイストを融合させた、シンプルで落ち着いた空間スタイルだ。

 余白のあるデザイン×彩度を抑えた落ち着いた配色×ナチュラル素材感を前面に押し出しており、無彩色や自然物をイメージしたアースカラー、そして天然調のエバーアートボードなどを使用して落ち着いた雰囲気のある空間を形作った。

 このような日本と北欧のテイストを調和したデザインは今後のトレンドとして注目されていると同社。テーマを明確にして示すことで、より取引先、ユーザーに分かりやすい提案が行えるよう配慮したようだ。

 また、木目調アルミ素材「エバーアートウッド」も大々的に展示。

 建物の外観に合わせたレンガ調デザイン、室内側と外側でカラーを使い分け可能な点など、本物の木材のような質感と多様な現場で活用可能な点を訴求した。


 同社が今回の展示会でも特に前面に押し出していた製品群が「ガーデン&五番目の部屋のある暮らし」として提案する「フィフスルーム」の数々のモデルだ。今回はシーンやデザインをより進化させ、ガラス張りの提案など時代のニーズを捉えたコンセプトで開発を進めている。

 屋外スペースはガラス張りの室内空間と同じ床面高さで、屋内外の出入りがしやすい設計。

 車いすに乗ったまま触れることが可能なホームベジトラグなども共に展示され、介護施設などにもマッチする空間提案が展開された。
 コロナ禍による巣ごもり需要によって、ウッドデッキやタイルといった、リビングから庭へのニーズが伸びており、子供が独り立ちしたなど、生活の変化によって庭をリフォームしたいという要望が多く出てきた。「フィフスルーム」では、チェアとテーブルを置くことが可能な「1坪」の空間があれば1つの部屋・シーンを生み出すことが可能であり、リフォーム業者などに向けて提案し、売上拡大に貢献したいとする。


デジタルコンテンツサービス強化でサポート体制を充実

 タカショーは、グループ企業の技術を活かしたデジタルトランスフォーメーションに関するコンテンツも拡充を図っている。今回の展示会では、CAD不要でクラウド上からプラン提案が可能な提案支援ツール「バーチャルホーム&ガーデン」のサービスシミュレーションや、建築CG動画の制作サービス提案などが行われた。これらのツールは、タカショーのグループ会社であるGLD-LAB.(鳥取県鳥取市、濵本 真代表)が手掛けている。同社はタカショーグループの傘下となって以降、住宅工務店などへの動画制作サービスなどを強化したことによって、売上も好調に推移しているようだ。
「バーチャルホーム&ガーデン」では、GLD-LAB.まで建物のデータを送信することで、ハウスメーカーやビルダーの建物をシミュレーションすることが可能。また、CGの住宅スタイルは6種類のプランを用意しており、建物のカラー変更や敷地サイズ、門柱やカーポートの設置なども自由にカスタマイズできるツールとなっている。そのため、専門的な外構施工の知識が不要となる点を同社は訴求。また、同ツールのカスタマイズバージョンではタカショーの製品のみならず、他社製品もシミュレーションができるとのことだ。

 建築CG動画制作サービスは、最大4K対応の提案ツールとして、住宅から展示場までは様々なシーンの提案を実現する。写真のみで構成するよりも、よりダイナミックな表現が可能な動画によって、四季や昼夜のイメージをより具体的に提案できると同社。料金は最安プランで25万円からで、制作プランに応じて価格は変動する。室内の設備に関する情報などについては、住設の仕様書などを基としながら、ニーズに合わせてモデリングの作業も実施している。建物の外観なども、オプションで必要に応じてGLD-LAB.が制作する。


 家具関係の商材では、フランス語で「素足」を表す「PIEDS NUS(ピエニュ)」を展開。屋外・アウトドアリビング家具の「サベリ」や「ロムガーデン」などのブランド製品を来場者に訴求した。

 「サベリ」では、セメントを天然繊維で強化した素材であるマルモリーノを用いたテーブルなど、デザイン性と機能性を兼ね備えたアイテムに来場者の視線も集まった。個性的な各ブランドへの注目度は高いようだ。


 コントラクト向けの展示では、実際の店舗に採用された創作事例を展示会場で再現。天然竹を再現した人口強化竹垣の「エバーバンブー」を軸とした展示となった。

 同製品は、実際の天然竹をそのまま型取りし、約5年使用可能な強さと表情を訴求。また、庭造りの幅広いニーズに対応するために別注システムによる微調整が可能な点もポイントの一つだ。


 このほか、子会社のタカショーデジテック(和歌山県海南市、古澤良祐社長)が手掛ける屋外照明機器製品も、個別に区画を設けて集中的に展示。

 ラタンスタンドライトのようなデザイン性のあるアイテムから、スペインの照明器具ブランドである「Vibia(ヴィビア)」といったアイテムなど、多種多様な製品が来場客を出迎え、同社の経営理念である「光の演出で人の心を彩る」を体現した。


 タカショーガーデン&エクステリアフェアへの来場者は、もともとは建築設計事務所などの層が多かったが、近年は商業施設などの施主の割合も増加しているようだ。

 また、今回の展示会においても、オンラインでの開催も行い、リアルとWEBのハイブリッド開催とした。そのことによって、会場に来場することが難しい遠方の取引先なども、オンラインで展示会にアクセスすることが可能となり、利便性が向上。ハイブリッド開催によって、来場者・アクセスの業種が広がり、展示会の認知度はより高まっている。