【展示会情報】VIFA ASEAN 2025 出展230社・来場8926人で閉幕 来春「VIFA EXPO 2026」は2会場・2,800+小間へ拡張

ベトナム・ホーチミン市の家具見本市「VIFA ASEAN 2025」(2025年8月26~29日、SECC)が閉幕した。第3回となる今回は、国内外計230社が623小間を出展(ベトナム138社、海外92社)。展示構成は家具62%、ファニシング14%、ハンドクラフト4%、材料・機械・木材・支援サービス20%と、サプライチェーンの上流から下流までを網羅した。

4日間の総来場者は8,926人。このうち2037人は67の国・地域からの海外バイヤーで、地域別構成はアジア76%、米州12%、欧州7%、オセアニア3%、アフリカ2%。再来場は60%、商談ニーズ(マッチング希望)は68%にのぼり、秋のアジア家具フェア・シリーズの「起点」としての地位を強めた。
VIFA ASEANは、韓国KOFURN、マレーシアMFFM、中国・上海のCIFF/WMF・Furniture China/Maison Shanghai、インドネシアIFFINAと並ぶ東南アジア見本市の一角で、海外バイヤーの初動をホーチミンに呼び込むことで、ベトナムの存在感を一段と引き上げた。

この勢いを受け、2026年3月8~11日に開催される「VIFA EXPO 2026」は、ホーチミン市のSKY EXPO Vietnam Centerと、ビンズオンのWTC EXPOの“2会場開催”に拡張。総展示面積は5.1万㎡、小間数は2800超、出展社は650社超を見込む。両会場は約30km離れるが、会期中は30~60分間隔の無料シャトルを運行し、海外バイヤー向けの空路・宿泊支援やVIP宿泊無償なども継続する。

VIFA EXPO 2026は、同月にアジア各地で連続開催されるIFEX(インドネシア)、MIFF/EFE(マレーシア)、PIFS(フィリピン)、3F/CIFF(中国)と連動する3月の見本市シリーズの中核拠点という位置づけ。2025年実績(出展650社超、来場2万人超、うち海外7500人超)を土台に、国内市場とグローバル調達の機能強化を図る。

今回のVIFA ASEANでは家具・ファニシング・資材/機械を束ねた多層展示、工場訪問やマッチングなどの“買える導線”の強化、シリーズ連携での国際バイヤー回遊の起点化、の3点が実需創出を押し上げた。とりわけ、会期内外に跨る商談機会(工場見学・1on1マッチング)と滞在支援では、短期滞在の海外バイヤーにとって効率的で、商談歩留まりの改善に寄与したとみられる。

来春は会場を二極化しつつ、運営側は高頻度シャトルと支援策で一体感を担保する。アセアン域内外のサプライチェーン断片を一挙に可視化することで、「新規サプライヤー探索」「カテゴリ拡張」「価格/品質の最適解探索」という来場バイヤーの複数課題にワンストップで応える。コスト・為替・地政学の不確実性が高まるなか、調達分散とPDCA短縮を同時に図りたいグローバル小売・卸にとって合理的となる。

秋のVIFA ASEANで需要喚起と初期接点をつくり、春のVIFA EXPOで量とレンジを拡張して成約を加速する二段構えの年間設計が固まりつつある。主催者がうたう「輸出入の架け橋」の機能は、2026年にかけて規模×サービス×シリーズ連携でさらに増幅しそうだ。