【取材】コイズミファニテック 新フラッグシップモデル「GENTLER」を展開 販売・マーケティング視点に立った製品展開

コイズミファニテック(大阪府大阪市、若林俊宏社長)は2023年より、幼児を対象にした「プレキッズ」や、睡眠に的を絞った「マットレス事業」に参入し、事業の対象領域を大きく拡大した。一方、同社の得意とする学習机・デスク事業は引き続き強化を図る中、2025年は大人の趣味・こだわりに焦点をあてたデスク「GENTLER(以下、ジェントラー)」を新たに投入するなど、ターゲット想定を明確にする動きがみられた。

ジェントラーは、2023年に発売された同社の自動昇降デスク「アルテージ」の後継を想起させるようなL字デスクのフラッグシップモデルだ。しかし販売ターゲット層はアルテージと全く異なるという。製品開発を担当した同社の徳尾野氏は、「アルテージはあらゆるユーザーを対象としておりました。しかし今回は販売視点に立ち、特定層、具体的にはガジェットが好きで自分の空間を好み、仕事や創作活動に集中したい層をターゲットとしました。特定層に焦点をあてることでセールストークのしやすくなる製品、そして尖った製品を開発していこうと社内で決まり、このように限定的なペルソナ想定をして、ジェントラーは生まれたのです」と語った。デスクの購買層の中でも、現代のライフタイルを考慮しながらコアなユーザーを想定した形だ。

ホワイトオークの明るい色合いのみの展開だったアルテージと比べて、スモーキーグレージュ色を加えた2色へと拡大、モダンやインダストリアルテイストの空間にも溶け込みやすい天板色を採用した。
形状はL字とコンパクトな横長の2タイプ。L字タイプは昇降スピードが速く、秒速6センチと、2025年時点で他社のものと比べても最速とした。着席から立ち仕事にシフトする際、スムーズに天板が上昇することで待機時間を減らす。天板昇降機能は最低位置が62センチ、最高が127センチの65センチ幅。
別売の付属品も大きな特長を持つ。アルテージと比較して付属品のラインナップは拡大した。

デスクシェルフは小、大、コーナーの三種類をそれぞれ2色で展開。筆記用具などの文具や名刺、イヤホンなどのコード類を収納できるガジェットボックスも用意した。「ガジェットベース」では、アップルウォッチを充電できるスペースや、タブレットを充電しながら立て掛けられるスペースを設けた。その他、A4サイズの書類や雑誌を収納できる「タブレットラック」や、マグネットで付着させられる「スチールプレート」も選べる。デスクを幅広くカスタマイズできるラインナップだ。

同氏のお薦めの付属品はガジェットベースだという。ガジェットベ―スでは収納出来る物を絞っている事で、より特化した機能を持たせています。例えば上部に設けたコードスリット。これによりガジェット類のコード問題は大きく改善します。そういったニーズを強く感じる方こそジェントラーという製品のファンになっていただけるお客様だと想定しています」とした。製品発表は2025年の5月に行われた。コンセプトだけでなく、アルテージに比べて標準価格を5万円以上下げた点も販売店から大きな反応を得られたポイントだ。

コロナ以降、働き方の多様化を契機にデスク市場は拡大した。国内での電動昇降デスクの普及率は海外と比べても相当低く、数パーセント程度と推定される。一方、家具店でのデスク展示スペースの2~3割が電動デスクで占められており、また販売台数としても微増トレンドを維持しているため、緩やかながらも今後普及が見込まれている。2026年はデスクのリーディングカンパニーとして、同社のとった販売戦略が試される1年となりそうだ。