三菱地所「エコファニ」事業好調 リユース家具で新たな価値創造へ -MITSUBISHI ESTATE-

三菱地所(東京都千代田区、吉田淳一社長)は、オフィス家具のリユース事業に取り組む。ショールームを有楽町に構え、オフィス家具の引き取り・販売サービス「エコファニ」として、今年から本格的にスタートしている。事業提案者で責任者の三菱地所新事業創造部副主事の本田宗洋氏に話しを聞いた。

ショールームの様子。大手家具メーカーや海外ブランドの家具が並ぶ

――三菱地所として初めての家具事業となりますが、サービス開始の経緯は。
本田 オフィスビルの運営管理の業務を行うなかで、テナントのレイアウト変更や移転などでまだ使える家具が撤去、廃棄される状況を目の当たりにし、「もったいなさ」を感じ、問題意識を持ちました。また、テナント誘致の業務では、内装、家具をセットした状態で貸すビジネスも増えてきており、家具があることで、三菱地所の商品であるオフィスのバリューアップ、企画の1つになるのでは、と感じました。
三菱地所では、1年に一度「新事業提案制度」を実施しています。これは、社員が多種多様な事業アイディアを応募できる制度です。商品力アップとサステナビリティを両立したいと思い、オフィスビルの運営管理、テナント誘致の業務を通じて感じたことを提案したところ、新規立ち上げの事業案の一つに選ばれました。。
昨年1年間のフィジビリティ・スタディ(実行可能性調査)を経て、実績を得ることが出来、今年4月から1期目としてスタートしています。
――サービスの内容は。
本田 不要になった家具を引き取り、検品、清掃し展示、販売していくことが基本のサービスです。その他に家具をオフィスにセットした状態で賃借する「セットアップ」への供用、家具・家電のサブスクリプションサービスを展開するクラスと提携し、クラスのサブスクリプションサービスにも供用しています。
――エコファニの利用者層は。
本田 商品の引き取りでは、三菱地所グループ関係や三菱地所のテナントに入居する企業からが8割以上です。不動産オーナーとしての強みを生かし、情報をいち早く入手し、仕入れることができます。エリアは大手町、丸の内、有楽町が中心です。こうしたエリアに入居している企業は大手メーカーの家具を使用し、状態も良いケースが多いです。
購入に関しては、個人の1個からの注文にも対応しますが、法人が中心です。大手企業や新築ホテルなどでも採用されています。三菱地所グループ各社でも積極的に利用しています。
――大手企業や高級マンションでも採用される理由は。
本田 状態の良さと価格でしょうか。
定性的ですが、基準を設けており、全ての家具を引き取るわけではありません。商品の目利きや清掃、検品は三菱地所グループや協力会社のリソースを活用しながら、品質を保っています。
価格は、メーカー小売価格の2割、3割程度であると言われることが多いです。社員1人分の予算で3人、4人分の家具を購入できるとおっしゃる方もいます。
「リユース家具を導入するのは社員に悪い」、「エンゲージメントを下げてしまうのでは」と言われる方もいる一方で、購入者に話しを聞いてみると、「家具のコストを抑え他に予算を使えるので、エコファニを選んだ」と言われることが多いです。リユース家具でも社員のエンゲージを下げるものではないと思っています。リユース家具全体に言えることですが、ブランディングの余地があるのではと感じています。
――5月にはショールームを拡張移転しました。
本田 最初は東京駅、大手町駅直結の朝日生命大手町ビルに500㎡のショールームを構え、1000点程の家具を展示していました。今年5月からは有楽町ビルに移転しました。面積は2000㎡で、常時3000点から4000点を使用イメージが想像できるように展示しています。
ショールームを立地の良い場所に構えることで、利用者の利便性が向上します。中古オフィス家具は郊外で販売されることも多いかと思いますが、オフィス街にあることで、すぐに実物を確認ができます。また、引き取り、購入者層が多いエリアにショールームを構えることで、輸送時におけるCO2排出量削減にもつながり、環境負荷を軽減できていると思います。
――今年度の売り上げ目標は。
本田 公表しておりませんが、順調に推移しています。オフィスのレイアウト変更、入退去が続く限り、家具の導入、処分も続くと思いますので、エコファニへの一定の需要は今後もあると考えています。
――今後の展開予定はどのように考えているのでしょうか。
本田 販売拠点を増やしていく計画です。現在は成長フェーズにあり、計画に基づき組織を作り、売り上げを立てていきます。
――三菱地所の事業の1つの柱として育てていくのでしょうか。
本田 三菱地所は街づくりを通して社会に貢献することを使命としており、コア事業はオフィスビルや商業施設、ホテル、住宅等の開発・運営・販売です。それらの事業を下支えする一つの機能として、それぞれの事業に間接的に貢献していきます。

三菱地所 エコファニ