【オルガテック東京2023ピックアップレポ① アスプルンド】 オフィスファニチャーブランド「ワークプラス」注力 独自デザインでオフィス市場に

アスプルンド(東京都港区、西川信一社長)はオルガテック東京2023において、同社のオフィス向けブランド「ワークプラス」を前面に訴求した。ワークプラスはコロナ禍以降に開始した比較的新しいブランド。ホテルやレストランといったコントラクトで培った技術や製品力でオフィス市場にも展開を拡大していく。

デスクおよび新作チェア

会場のブースでは、フリーアドレス用デスク「FLEX―WIZ FREE ADDRESS DESK(フレックスウィズフリーアドレスデスク)」を大きく展示した。同製品は、ワークプラス立ち上げ時に開発したアイテム。今回の展示製品には表面仕上げ材にアップサイクルレザーを採用。高級感のあるオフィスアイテムが来場者の目を惹きつけた。さらに、今回新たに販売したオフィスチェア「VIVY CHAIR(ヴィヴィーチェア)」と「MARBRIC CHAIR(マーブリックチェア)」も展示した。
新製品のチェア2種は、ヘッドレストなど機能性も重視しており、あらゆるシーンや多様性を求めるユーザーに幅広く使われることを想定してデザインした。人間工学に基づいて設計し、座り心地には特に配慮しているという。

コクーンブース

また、去年の夏から販売を開始しているパーソナルミーティングボックス「コクーンブース」も展示した。来場者に実物をアピール。同製品はこれまでWebのみで販売してきたが、納入実績が順調に増えているという。
コクーンブースの一番の差別化ポイントは、そのデザインにあるという。スチールとガラスで構成された個室ワークブース製品が多いなか、同製品は室内空間に溶け込むようインテリア性を重視し、開発した。カラー展開は5色用意し、空間に合わせた色を選べる。会場では、室内照明の色合いと組み合わせ、温かみのある空間が演出されていた。また、木工製品だが、不燃材を用いるなど製品性能にも注意を払ったつくりとなっているという。
近年、オフィス空間は急速にカジュアルな空間が広がってきており、特に新興IT企業を中心にその強い傾向が見られるという。インテリア業界でデザイン性を培ってきた同社製品は、そのような企業でとりわけ好評だという。
同ブランドのテーマカラーは緑としており、同社ブースにも植物を多く取り入れていたが、製品自体に緑色のアイテムが多いわけではない。同社は木製家具の持つデザイン性を最大限活かし、植物と調和するデザインであることを来場者に強く訴求する。

再生材を使った照明カバー

また、同社はサステナブル製品の開発にも注力している。農業廃材で出る小枝や樹皮を集めて成型加工した照明器具のカバーやプラントカバー、チークの根をテーブルの脚としてそのまま活用した製品も展示。資源を可能な限り再利用して製造する企業姿勢をアピールした。
また、レザーの天板やコルクの素材感を持つ、独特な照明器具カバーに注目する来場者も数多く見られた。

チークの根元を活用したテーブル

アスプルンドはワールドグループであり、2022年春にはアスプルンド内に内装デザインチームを発足。これにより家具だけでなく内装も併せたコンセプト提案が可能となっている。
ブースには同社の多様な製品を展示して、家具や内装のコーディネート提案力を外部に示した。壁面、タイル、照明器具など幅広く対応できるという。オフィスという新しいフィールドで同社がどのようにシェアを高めていくか、今後に注目される。