【PR】MOD 家具に特化した「ラストワンマイル」の確かな組立・配送サービスを提供 「インテリアデコレーター」として家具・運送業界革命へ 

変化、進化、サービス価値を高める運送業へ

MOD 呉山守代表(左)、リビングハウス 北村常明会長(右)

 兵庫県西宮市で一般貨物自動車運送業を手掛けるMOD(呉山守代表)は、家具の組立設置、インテリアコーディネートを請け負う業者として、関西を中心にその存在を知られてきた。同社は「ラストワンマイル」サービスとして、配送拠点からエンドユーザーへの家具の配送および組立等を手掛けており、業界内での実績評価は高い。
 この8月には、同業の八木運送(大阪市住之江区)を吸収合併する予定で、業容拡大を進めている。呉山守氏および、同社と長年取引のあるリビングハウス代表取締役会長の北村常明氏に、家具業界の物流に革新的業態取り組みを進めるMODの現況と、新時代に向けた家具及び運送業への改革構想を取材した。

MOD 呉山守代表

 MOD代表の呉山守氏が約20年前、運送業の友人の依頼により、当時のリビングハウス商材のソファー脚などの木工切断、金属切断溶接や組立等を手掛けたことが、リビングハウスとのビジネス関係のきっかけとなった。呉山氏が建設関連職の経験があったため、その技術を買われてのものだという。その後、2006年9月に㈱呉山商店制作事業部を創業し、2016年に部署を法人化した。社名のMODとはとは、「制作事業部」の英語略「Manufacture Operation Division」からとった。
 同社のこれまでの業務実績エリアは、福岡~中国、四国~関西全域~名古屋岐阜エリアで、メインは関西および四国エリアだ。保有車両に関し、一般的な運送業者は13尺(全長6.5m)の長さのトラックを用いるが、MODではラストワンマイル輸送専用の11尺(全長5.5m)のものを使用している。全長が短いことでコインパーキングなどにも駐車可能となり、より効率的に輸送を行うことが可能だからだ。

サービス向上のため、クレーン車を一台追加導入

 昨今の家具納入先は狭小住宅が多く、クレーン車の需要が増加傾向にある。今年の3月にはクレーン車を一台導入するなど、設備への投資も積極的に行っている。またコンプライアンス上、運送業者は照明などの設備を納品先で設置できない。だが同社では電気工事士も在籍しているため、その取付工事も行うことが可能だ。「運送業」という枠にとらわれることなく、納品先できめ細やかなサービスが行える点を訴求している。
 同社が評価されている点はサービスの質にある。組み立て式の家具は配送先で開梱、組立等を行うと、大量のごみを出し、住宅内を汚す場合が多い。そのため同社は事前に仮組みをし、梱包して配送を行っている。仮組みはそのメーカーや製品に合わせ、可能な限りの段階まで手掛けるなど、スピード重視のユーザー目線を心掛けてきている。


 納入先に到着後は、設置場所、組立スペース、搬入経路の確認を行ったのち、安全かつスピーディーに搬入できる経路をユーザーに提案、搬入および組立を行っている。その後、指定の場所に設置して微調整を行い、商品のメンテナンス方法などをユーザーに説明。これらはすべて、組立を行う同社のスタッフが手がけ、壁面へのテレビやアートの取MODり付けまで行う。カリガリスブランド(イタリア)の担当者が「ノックダウン式のカリガリスの商品の取り扱いについて、MODの右に出る業者はいないだろう」と述べるなど、経験・資格および知識を熟知したスタッフをもつ同社への評価は高い。
 呉山氏は「家具だけを取り扱う運送屋はまだ少ないなか、当社は5年、10年先へのビジョンをしっかりともって事業に取り組んでいる」と語る。リビングハウスの北村氏は「私も大型トラックの運転ができるが、それはかつて商品をユーザーにお届けしていたからだ。今でも家具屋のスタッフが納品しているところは多いのではないか」と指摘する。それだけに小売店の協賛業者として、確かな技術とノウハウをもってサービスを手がけるMODの事業成長性に北村氏は注目している。

女性の運送業就職・活躍が目立つ時代に

作業を行う同社女性スタッフ

情報の共有による業務の効率化、不測の事態に備えたカバー体制
 創業時は4名からのスタートだったMODは、現在は32名のスタッフを抱えるまでになった。昨今は特にニーズが多様化し、様々なコンプライアンスのすべてをクリアした上で、女性のスタッフも採用している。うちの一人は今年で勤務4年目、男性スタッフにも指示を出す役割を担うほどになった。呉山氏は「女性は順応力が高い。家具の配送についても、その9割はこなす」と話すなど、女性のポテンシャルを高く評価する。男性目線とは異なる視点で、業務を行うことができる点もいい点だという。最近は女性ペアのスタッフでソファーの搬入・組立を手がけるまでに、技術を高めているようだ。

スタッフ同士でカバーし合う体制により、業務もより効率化

 スタッフの雇用について呉山氏は「当社は離職が少なくほぼ定着している。まず、労働環境を整えることを常に最重要課題と捉えており、スタッフ同士でカバーし合う精神を日頃から重視している。男女の力差は無いとは言えないのが現状だが『常に今、自身にできることはないか』を模索するよう指導している。我々の仕事は基本的にマンパワーが必要なので、人を最優先に考えている」という。
 同社では業務の効率化を進めるために、スタッフ全員にスマートフォンをもたせ、配送のスケジュールなどを全員が共有することで、不測の事態が起こった場合にも、スタッフ同士でカバーできる体制づくりを整えてきた。
 
 【「運送屋」ではなく「インテリアデコレーター」
 同社はコンプライアンス上においては運送業であるが、呉山氏は「当社が一般的な『運送業』と決定的に違う点は、お客様の住居のエントランスまでではなく、しっかりと中に入って作業をすること」であるとしている。ユーザーの住空間に足を踏み入れるためには、搬入や組立の技術面以外に、言葉遣いや身だしなみの管理など、高度な技術と人間性が担当スタッフに求められる。吸収合併を行う八木運送についても「歴史と技術のある企業だが、MODがサービス時に常に持ち歩いている『掃除セット』を八木運送の担当者が持って仕事をしていなかったことは、私にとってはカルチャーショックだった」と基本的な違いを述べた。

スタッフへの教育を徹底

 課題は、旧来の「運送業」からの意識改革だ。長く運送業として働いてきた中堅、ベテランのスタッフほど「運送屋」の意識が強いという。そのため呉山氏は企業の在り方について「『運送屋』ではなく、『インテリアデコレーター』と考えた社員教育をしている」と語る。納入先の限られた空間の中で、どのような配置をすれば顧客が満足するかという教育を社員に徹底、動線を確保しながら、ラグの配置を数センチずらすだけでも部屋の空間が変わってくる。ユーザーに少しだけでもアドバイスができるよう、『運送屋』の次元を飛び超えた意識でMODは取り組んできたが、同社の40歳以下のスタッフはそのサービスがスムーズに行えるようになってきた。その世代のスタッフの台頭によって、40代半ば以上のスタッフもそれに追従するという好循環が生まれているようだ。

フロートテレビボードの取り付けも手掛ける

 MODは八木運送との合併に備え、両社のスタッフの一部を相互に入れ替えて業務を行い、目下意思の統合を図っている最中だ。8月の八木運送の吸収合併後も、合流したスタッフにその精神の徹底を図るという。
 北村氏は「私もかつて一時期はリフォーム業界にいたが、その時に学んだ点の一つは人材教育だ。そしてもう一つは、建築業は『箱を作るのではなく、インテリアを手掛ける』というビジネスモデルに、リフォーム業界が変わりつつあったということだ。これは我々のビジネスにも近いので、家具業界に戻ってそのような体制を作ろうと思い、私はその業界を7年で去った」。「家具という『モノ』を納品するのではなく、『おしゃれな空間で暮らそう』というシーンを提供することが、我々が進めるべきビジネスだと分かり、それを追求していった」と語る。
「運送業の皆さんも、これまでは『物の配達』だったと思うが、これからはそうではなく『物を快適な空間にセットするというサービス』のようにできれば良いのではないか。スタッフの動機づけのためにも、運送業者さんもインテリアの勉強をすることが重要だと思う」と話す。リビングスタイリストの資格の取得を推奨するなど、「インテリアを構成する協力業者のスタッフ」としての意識づけが大切であると北村氏は説く。

同業他社との協力、納入現場を見ることの必要性
 北村氏はさらに家具業界の姿勢にもふれ、「これまでは家具屋が、『商品を納入先に届けられればいい』という意識が強く、それもあって運送業者のレベルが上がってこなかったのではないか」と、従来の家具販売業の姿勢を指摘する。その上で同氏は「今回運送業者2社が合併するが、事業再生というものは間違いなく組織革命でもある。人の問題点を改めれば、年齢に関係なく間違いなく人は伸びる。なぜ伸びないかというと、それは情報を与えていないからだ。従って、現場からの情報を経営者は常にキャッチしていかなければ、それをスタッフに還元していくことができない。経営者とスタッフが別々の道を走っていては、伸びるものも伸びないのではないか」と持論を述べた。
 呉山氏も毎日の勤務日の夕方、スタッフとの意見交換を徹底するなど、現場の意見に耳を傾けることを怠らないよう心掛けている。「私が若い頃に北村氏に教えていただいたことだが『答えは現場にある』ということだ。その上で最近、リビングハウスのセールス担当の方にも伝えたことが、是非『商品納入の立ち合い』には販売店の社員さんも来ていただきたいということだ。それによって実際の住まいの様子やニーズがわかり、より新たな提案が可能になると思っている」と、インテリアに携わる企業スタッフが、納入現場を実際に見ることの必要性を訴えた。納入先へのサービスの徹底を図るMODの取り組みには、同業他社も注目しており、家具メーカーが同社を手本としてサービス向上に努めようとするなど、「ラストワンマイル」サービス向上の気運は高まっている。

新たにオープンするMODの新倉庫(イメージ図)

 MODでは、事前に仮組をしてから配送するというシステムをとっているが、自社のスタッフには協力他社での製品補修の研修を1週間受講させることで、納品先で補修などを行う場合でもスムーズに対応可能となった。研修先はいくつもの業者に依頼しているが、現状では研修依頼を受諾する業者がまだ少ないことが課題だ。同社は補修の技術を社内で共有できるようにするため、8月に稼働開始予定の新倉庫に専用のブースを設置し、ノウハウの蓄積をより徹底する。なお、同社が事業の拡大にむけて西宮市に開設予定の新倉庫は、敷地は495㎡で、建坪は858㎡の3階建て。名神高速道路の西宮料金所近くに位置するため、アクセスのよさも強みだ。

リビングハウス 北村常明会長

今後はAIが運送業にも普及、「人間」でしか為しえないサービスを極めて
 AIの発達が著しい昨今だが、その波は運送業界にも波及している。AIの発達によって自動車の自動運転が可能になると、運送業界の仕事の構図は大きく変わることになるという。呉山氏は、長距離路線輸送への自動運転導入はこの5年以内になるのではないかとみている。ゆくゆくは玄関先にまで、家具の自動配送が可能になる社会が到来すると予測する。そのうえで「当社が力を注いで手がけているようなエントランスから先の搬入・組立というサービスは、人間でしか為しえないものだろう。AI・ロボットにはできない業務をしっかりと行える点が強みだ」と強調する。

 北村氏は「我々の業界では、現状はマンパワーがないと乗り切っていけない。そのような中で家具インテリア業界、かつ下請け業者の皆さんが大変苦労している現状で、呉山氏のように前向きに前進し、革新しようとしている企業は稀だ。その姿は、一つの業界全体への大きなヒントになるのではないか」とし、「MODには、時代に合わせて革新を重ねながら成長していってほしい。そのことは、後々我々の業界のマーケットに良い影響をもたらすことにつながってくるだろう。こつこつと呉山氏がひとつずつこなしていけば、全国制覇も夢ではない」とMODの企業としての成長を評価し、飛躍を期待する。
 呉山氏は今後のMODの事業展開について「八木運送とは8月に正式に合併するので、まだきちんとした目標は掲げられていないが、若者には常にチャンスを与えていこうと思っている。案件については、配送範囲は料金が合えばどこでも伺いたい。関東圏は関西の5倍ほどのマーケットの大きさなので、その関東圏をターゲットにしながら、中部エリアも視野に入れて事業を拡大したいと考えている。関西においては、インテリアから考える内装工事や中古マンションリノベーション工事などへ発展を考えており、当社1社で完結できることを目標としている」と、今後の抱負を語った。
 

 社会的地位が低いとされている運送業の中で、インテリアサービスを手がける「インテリアデコレーター」としてMODは脱皮を図っている。ユーザーのもとへ届けるインテリア関連業者として、さらなる認知拡大と地位向上に努めていくとしている。

(文責・佐藤敬広)