シズオカ[KAGU]メッセ2023 開催レポート(1) -SHIZUOKA KAGU MESSE 2023-

6月7日(水)から11日(日)にかけて、静岡県家具工業組合(静岡市葵区、塩川達也理事長)主催の「シズオカ[KAGU]メッセ2023」が、ツインメッセ静岡北館(静岡市駿河区)で開催された。日程は7日(水)~9日(金)を業者商談日、10日(土)および11日(日)は一般公開日。昨年、コロナ禍が明けて3年ぶりの展示会を開いた同展だが、今回もリアル開催として69回目の開催となった。

出展社は静岡県家具工業組合員より20社、関連業者7社、デザイナーズサテライト2組、デザイン&クラフト4組に加え、一般公開日には駿河家具生産団体研究会から11社が出展した。主催者発表によると、会期中の来場社数は476社。開催5日間で6013人の来場をみた(うち一般公開日は4843人)。

今回は特別コラボレーション企画として、静岡県インテリアコーディネーター協会の協力による「Your story 悠久の自然を感じて・・・」の2つの特別ブースを設け、「朝」と「夜」の空間を、組合員が製作した家具を用いてコーディネートした空間が披露された。

開催初日の開催前セレモニーには、静岡県の川勝平太知事をはじめ、多数の関係者が出席した。

セレモニー冒頭では静岡県家具工業組合の塩川達也理事長が挨拶。江戸時代に端を発する静岡家具の歴史を紹介した上で「今回は”ときめきに、逢いに行こう。”というテーマで開催する。静岡県のインテリアコーディネーター協会ともコラボして特別なブースも作った。出品者が100%の力をかけて手掛けて製品の数々を、ぜひゆっくりとご覧いただきたい」と述べた。

続いて来賓を代表して静岡県の川勝知事が挨拶。「東静岡に図書館が建設されることになり、教育委員会と静岡県家具工業組合などを含めて設計などの話が進んでいる。私は1フロアすべて静岡家具を使ってくれないかと意見を出してみたのだが、設計との調整もあり、少なくとも『目立つところに』静岡家具を置くということになる」とし「5月にはこのツインメッセ静岡で第61回の静岡ホビーショーが開催された。もとは、木工の技術がプラモデルなどへと波及し、現在では世界トップクラスのホビーショーとなっている。したがって、家具も何かコラボできるといいのではないかと思う。子供の時に使った机や椅子など、全ての家具には思い出があり、買った時などの思い出もあるはずだ。そのような、人間に幸せを与えるものが、生活を支える家具である」と話した上で、静岡に移住する30代の人口が増えていること、それに伴う家庭生活での家具の需要の点について触れ、業界と行政とが協力し合って需要喚起に努めることによって、より産業が活性化するのではないかと話した。

川勝知事に続き、静岡市の難波喬司市長代理、本田武志副市長が挨拶。そののちに来賓出席者の紹介、テープカットが行われた。

同日には記者会見が開かれ、静岡県家具工業組合の塩川達也理事長、神谷智章副理事長、福井英之メッセ委員長、大坪正典専務理事が会見した。塩川理事長は「昭和26年に第1回の家具メッセを開催して以来、長年毎年開催してきたが、コロナの関係で何年かは開けない年もあった。今回コロナも一段落して以降2回目の展示会となった。しかしまだまだ当組合のメンバー全員が参加しているというわけではなく、組合員の約半数ほどが参加しているといった状態だ。私たちは今回がおそらく最低点だろうと思っているので、これから来年再来年、少しでも出展社を増やしながら、家具業界を盛り立てていきたい」とし、行政も含めて業界のテコ入れを図るべく要請していくと話した。静岡県インテリアコーディネーター協会とのコラボ企画ブースについては、一つのブースに様々なメーカーの商品が配置された。静岡県家具工業組合の大坪専務理事は「我々だけでは気づくことができなかったことも、コーディネーターの方々によって提案の中に盛り込んでいただけた。今回は静岡県インテリアコーディネーター協会とのコラボという形ではあったが、今後は企業間でコラボして、ブースで製品を見せていく形も増えていくのではないか」と話した。

ライフスタイルがコロナ禍の間と比べて変化してきており、「良いものを購入する」というユーザーも増えてきているなか、比較的中級~高級の製品を製作する静岡家具への注目は増している。また、色使いなどもビビットなものより淡いものが注目される傾向にあるなかで、「海外から日本への流行の伝達が、近年はとても早くなってきた」(塩川理事長)。国内の他の家具産地と比較して、静岡家具は応接セットや仏壇など、多岐にわたる製品展開に加え、木材のみならず異素材も積極的に取り入れている。今後も家具産地静岡の積極的な姿勢をアピールし、業界の発展につなげていくとする。

(佐藤敬広)


※以下、ツインメッセ静岡北館内、企画展・出展企業各社フォト(写真は全て開催初日に本紙撮影)

「朝」
「夜」

特別コラボ企画「Your story 悠久の自然を感じて」(協力/静岡県インテリアコーディネーター協会)


市川木工

インテルナ南條

エコウッド景観協同組合

小川木工所

勝見木工

神谷家具

共臨社

共和成産

起立木工

きんぱら

久和屋

コスモサウンド

塩川光明堂


杉本家具

関本家具装芸、村松建材

大伸木工

谷口工芸

東海家具工業

中山家具

バルバーニ

福井木工所

丸玄工芸

丸藤

遊木舎西尾

Designer’s Satellite 2023

しずおか「夢」デザインコンテスト

静岡デザイン専門学校

Design & Craft 2023

ZEROMISSION(左)、Shizuoka Reuse Project(右)

2022グッドデザインしずおか
静岡県地域産業課