カリモク家具(愛知県東浦町、加藤正俊社長)はこのほど、家具販売店など業者向けに「カリモク家具2023年新作家具発表会」を同社本社ショールーム、新横浜ショールーム、神戸ショールームで開催した。
今回の新作家具発表会は「ゆったり暮らす、すっきり暮らす」がテーマ。顧客の暮らしに寄り添う提案を行うために「ゆったりと少し贅沢を感じる暮らし」や「すっきりと設えた空間での快適な暮らし」を実現する新製品を来場者に訴求した。新製品は、新サイズ追加などのものもあわせて23モデルをラインナップ。11月より全国のカリモク家具ショールームで展開を開始する。
カリモク家具の山田郁二常務取締役は「家具業界全体に言えることですが、コロナ渦の際に“家中消費”ということで、比較的恩恵を受けた業界でした。昨年から外出規制も解けたことなどもあり、海外旅行や外需要というものが、増えている傾向です。一方で、世界の物資が高騰している現状で、我々カリモク家具も約半年の間に2回も値上げをせざるを得ない状況でした」と話す。「このような短期間の間に2回も値上げを行うのは、おそらく1970年代のオイルショック時以来ではないでしょうか」とし、カリモク家具としても類をみないインフレに見舞われているのが、昨今の状況のようだ。
消費者の関心が外出需要に向き、そして食品など生活関連物資の価格が高騰している現状のなか、カリモク家具では”消費の二極分化”として”こだわるものにはこだわりを””倹約志向には倹約商品を”というスタンスを家具にも落とし込んだ。徹底したくつろぎと同社の木工技術を発揮した”こだわり”を、ユーザーの暮らしに提案していく必要があると考えた結果が、今回の新作家具展のテーマである”ゆったり暮らす、すっきり暮らす”のうちの”ゆったり”に表された。
ソファ「WW27」は「永くゆたかな暮らしに寄り添う」という要素を意匠に落とし込んだパーソナルチェアとして、軽快さのあるフォルムが特徴のアイテムだ。アームのデザインも腕に沿うような安心感のあるもの。カリモク家具独自のEIS認定を取得している。
ソファ「ZW/UW24」は、ルーズな張り意匠と柔らかな座り心地が特徴。脚は木簡脚および金属脚から選択可能で、取り外しも可能だ(脚下155㎜)。レザー四種、ファブリック二種から選択可能。
「UU40 」モデルに追加されたデイベッドアイテム「UU4005」。台形型のクッションを組み合わせることで、リビングでの暮らしの幅を広げることができる。
「WG30 」モデルには、シェーズロングセットと長椅子ロングのワイドサイズモデルが追加された。写真の長椅子ロングタイプには肘クッションが付く。
1995年に発表した「ZT47」をアップグレードしたモデル「ZW47」。モールドウレタン「クラウドフォーム」を採用し、フィット感と耐久性を高めている。
ダイニングのラインナップに加わったチェア「CW76」とラウンドテーブルの「DW4351」。チェアはすっきりとしたシルエットが特徴で、座面はボルトを緩めることで取り外し・シートごと取り換えも可能。テーブルの天板高さは700㎜で、天板サイズは1200㎜および1000㎜の2種をラインナップしている。
チェアの「CB60」およびダイニングテーブルの「DB5010」は、デザイナーの小林幹也氏がデザインを担当した。チェアには「MAST CHAIR」の名称がつけられている。「MASUT CHAIR」は、やわらかな背もたれのフォルムと、その背を支える細い支柱が特徴的なアイテムだ。ダイニングテーブルの「DB5010」は、この「MASUT CHAIR」を引き立たせる、繊細なスリムデザインが特徴。脚部および天板のエッジは曲面で構成しており、丸みのあるデザインとしている。
メラミン天板のテーブル「DA5084」。
サイドテーブル「TW0201」は、置く場所を選ばない柔らかなデザイン。丸みのあるソファとの組み合わせがおすすめだという。
コンパクトなサイズ性が特徴のTVボード「BRICK(ブリック)」は、脚を外してロースタイルでも使用可能。メラミン天板によって、傷がつきにくく撥水性をもたせており、鉢植えなどの小物ディスプレイが楽しめる設計となっている。木のぬくもりももちろん感じることのできるアイテムだ。
「Layfree」シリーズの「HW9738/9」は、すっきり暮らすための収納提案。今回はトールキャビネットが追加された。アイロン台やミシンといった家事道具も収納できるように設計されている。
ドマーニブランドの40周年記念モデルも追加された。「CSA705」は、独自のデザイン性と座り心地のよさをあわせもつダイニングチェアだ。一体型のシートとなっているため、取り外して交換が可能であり、メンテナンスがしやすい点も特徴のひとつ。ラウンドテーブルの「DSA411」はスタイリッシュな外観が特徴。どのような空間にもフィットするデザインを実現している。
2023年度のグッドデザイン賞を受賞した「クリアネル」には、シアーホワイト色が新たに追加された。パネルもサテンアイボリ―色を追加し、この組み合わせでの展示もおこなわれた。学童向け展開も狙ったバリエーション追加としてより拡大を図る。
サブアイテムとして、タブレットスタンドとしても使える「マルチトレイ」も追加することで、天板面の作業スペースの確保につなげている。
在宅ワーカーむけのアイテムとしては、ワークチェア「XT5840」(写真右)がラインナップに加わった。体全体を包み込むハイバック仕様となっており、ヘッドレストがしっかりとサポート。ノープレッシャーサスペンション機構によって、背もたれだけが独立して動く設計となっている。
カリモク家具では、足掛け4年をかけて、”営業力を磨く”をテーマに、”顧客の問題・課題を共に解決する力”を磨いてきた。昨年の新作家具発表会から、展示会場に「ソリューション」をキーワードとしたテーマブースを設置し、同社の顧客の悩みを共に解決していくという提案も行っている。
山田常務は「かつての新作展示会は、”商談会”としての位置づけが強かったです。しかしこれからはまず、カリモク家具がどのようなことを考えて取り組んでいるかを見に来ていただく、そしてその上で、エンドユーザーの方々へ向けた活動を共に取り組みましょうといったように、”商談会”から”ソリューション解決、コミュニケーション営業”の場に置き換えていきたいと考えています」と話す。
今年も、新作家具展を開いた愛知の本社SR、新横浜SR、神戸SRでこのブースを展開。ビジネスチャンスへの販売店支援提案として、「業務用ユース対応」「カリモク家具のショールーム活用」「商品提案力の向上」「家具修理対応」「新品家具レンタル」の5つのブースを設け、各ブースでスタッフが説明を行った。