HCJ2025 開催せまる 2/4~2/7開催へ

日本能率協会(東京都港区、中村 正己会長)が主催する第53回国際ホテル・レストラン・ショー、第46回フード・ケータリングショー、第25回厨房設備機器展(以下、3展合わせてHCJ2025と呼称)は、2025年2月4日から7日にかけての4日間、東京ビッグサイトの東展示棟1~6ホールを使って開催を予定している。約850社、2300ブースの出展を見込み、今年も前年規模を維持しての開催となりそうだ。

今年は「人手不足」「生産性向上」「インバウンド対策」の3要素を前面に押し出し、「人材不足解消、おもてなし革新」をテーマとした。特に最大のテーマが「人手不足対策」だ。2024年の3月には、訪日外客数が月間ではじめて300万人を超え、観光業界では生産性の向上をはじめとし、宗教、ヴィーガンへの配慮・対応等が喫緊の課題となっている。

今後2030年には訪日外客数6000万人、消費額へは15兆円となることが見込まれているが、その外客に対応する人員の対策が業界では急務だ。製造業、非製造業も人手不足であえぐなか、宿泊・飲食サービスは特に深刻となっている。これまでのHCJの来場者からも、「施設内全体を省人化できるロボットの提案」や、「人員にとって代わるような商品提案」「AIカメラによる人流解析」「スタッフのオペレーション負荷軽減に関する商材」「顧客満足度を下げずに業務効率化につながる支援ツール」などの要望が相次いでいる。一昨年のHCJ2023および昨年のHCJ2024でのアンケート調査において、最も課題として伸び率が高かったテーマが「生産性向上」で、次いで「人材育成・採用」「インバウンド対策」が続いている。

同展は意思決定権者の来場が多いことも特長だ。昨年は50,131名の来場があり、そのうち施主企業の関係者は、ホテルが8,650名、レストランが8,065名と、全体の1/3を占めた。そのうちホテル関係の来場者は、リゾートホテル関係が最も多く23・2%。次いでビジネスコロナの影響で一時期来場者が大きく落ち込んだ同展は2023年以降回復基調にあり、今年は6万人以上を来場目標に見据えるなど、全盛期の水準を目指す。

見本市は、東ホール1~8ホールで開催予定とし、展示面積66000㎡以上を見込んでいる。新ゾーンとして、「サービス業×テクノロジーEXPO」が新設され、マーケティングや集客支援、人材育成関連の出展が行われる。ベッドや家具・インテリア関連企業は、東4ホールを中心に出展予定。「ホスピタリティデザイン東京」として、差別化が必須の観光業界に対する幅広いサービス提案が行われる予定だ。ブース数も年々増加、家具インテリア業界の出展者の注目も高まっているエリアだ。

また、同展には毎年約100社のオフィシャルバイヤーが集い、事前アポイント商談会も開催している。オフィシャルバイヤーは事前に運営サイドに出展企業との引き合わせを希望している、比較的購買意欲の高いバイヤーのことで、前回は98バイヤーが集まったが、今年は約120社が集まる予定。主に旅館関係企業が多いようだ。出展社からは「普段なかなか直接アプローチができない顧客との商談機会につながった」「バイヤーからの逆指名につながった」と評判となっている。

また、HCJ2025では、全部で7つのセミナー会場が用意されている。昨年は100セッション以上のセミナーに9000人以上を動員し、イベントステージには651名を動員するなど、関連業界からの来場動員を図る効果的な催しの一つとなっている。今回の「トレンドセミナー&ステージ」では、東京藝術大学学長の日比野 克彦氏による「アートは人を豊かにする」などの講演が催されるほか、家具・インテリア業界と最も関連性のあるテーマとして、東4ホールで開かれる「ホスピタリティデザインセミナー」にも注目だ。連日、4~6講演を開催予定としており、実例に基づいたホテル空間についてのセミナーを聴講することができそうだ。