
――今回、セミオーダー住宅の「ERABERU(エラベル)」から、新提案の平屋プランを発表されましたが、「ERABERU」の特長などについてまず教えていただけますか。
柄沢 当社では以前から、セミオーダー住宅の商品展開を行っていたのですが、2024年の1月にリニューアルを行い、商品名を「ERABERU」としました。リニューアルにあたっては、ターゲット層をしっかりと絞り込みました。当社はどちらというと、注文住宅をメインで手掛けているハウスメーカーなのですが、コストなどの関係で「自分の理想の住まいが注文住宅では実現できない」というお声もいただきます。そのようなニーズに対応するべく、デザイン性に優れた性能の高い家をセミオーダー住宅とし、なるべくコストを抑えた提案ができるようにしました。
この「ERABERU」では、平屋やガレージ付き、スキップフロアの提案も可能で、様々なご要望にお応えすることができます。多くの選択肢をご提供しながらお客様のニーズに沿った家づくりを、セミオーダー住宅を介してご提案できればと考えています。
――昨今は平屋等も増えてきていますね。
柄沢 まず、平屋ブームは以前から続いていますが、まだまだ需要は多いかなと思います。平屋のプランを設けるにあたって、現地のお客様の声もしっかりとお伺いしました。全国展開させていただく中で、やはり平屋の需要は多いです。当社は都心よりは郊外向けの家を建てさせていただいているのですが、都心に比べて郊外は比較的土地が広く、平屋を建てる土地は十分にありニーズも高いというところで、平屋や1.5階などのプランを新たに増やさせていただきました。
――次に、セミオーダー住宅のメリット、需要の高まりについてお伺いできますか。
柄沢 当社の考えるセミオーダー住宅は、もちろん内装の基本はあるのですが、その中で内装を8つのスタイルから選択できる「インテリアスタイルパッケージ」として提案させていただいています。この8つの「インテリアスタイルパッケージ」からお客様にセレクトしていただけることがメリットの一つです。キッチンの仕様や間仕切りの有無など、多少の間取りの変更も可能な点がセミオーダー住宅の良いところであると思います。
――フルオーダー(注文住宅)に比べ、コスト的にも安価に抑えられるということですね。
柄沢 そうですね。そしてコストだけではなく、入居も比較的早くできることもポイントです。フルオーダー(注文住宅)では、どうしても打ち合わせ等の回数が増えてしまいます。一から間取りを作るとなると、まずはお客様のご要望をヒアリングし、その後提案していく打ち合わせが5回ほど続きます。対して、セミオーダー住宅ではプランがほぼ決まっており、ベースとなる打ち合わせも2、3回程度で済むので、打ち合わせのスピード感も早いです。ケースにもよるのですが、セミオーダー住宅であればフルオーダー住宅よりも100万円~150万円ほど安価で済み、1か月ほど早く住み始めることができます。
――アエラホームの場合、インテリアコーディネーターも打ち合わせ等に必ず参加されるのですか。
柄沢 「ERABERU」についても、さきほどの8つの「インテリアスタイルパッケージ」の中から選んでいただくのですが、やはりお客様のご要望ごとにどのスタイルがよいかという点で、プロのアドバイスも必要になります。当社は各店にハウスコーディネーターが在籍しており、お客様の好みに合ったインテリアスタイルについて、ご要望を伺いながら提案させていただいています。ハウスコーディネーターは全て当社の社員です。
――8つのインテリアスタイルから選択できるとのことですが、このようにフォーマットを設定された効果などについてはいかがですか。
柄沢 導入以前は、お客様の様々な要望を聞いて提案をしていくといった手法で、良くも悪くもアエラホームとして特徴が出せていませんでしたので、この8つの「インテリアスタイルパッケージ」を新たに導入し、ブランディングも強化しながら提案をさせていただくように変更しました。各店舗のハウスコーディネーターにも徐々に浸透していき、提案力の強化にもつながったため、お客様からの需要も高まってきています。
パッケージ提案はプロのインテリアコーディネーターの方を交えて企画開発し、プロがセレクトしたインテリアスタイルということで提案もしやすく、しっかりとまとまった空間になっています。そのため、お客様も納得しやすい内容になっていると思います。インテリアスタイルでお選びいただいた家具については、ローンに組み込むことができますので、これもお客様にとってはメリットの一つになるのではないでしょうか。
https://aerahome.com/interiorstyle
――この「インテリアスタイルパッケージ」は柄沢さんが発案されたそうですね。
柄沢 今の時代には、スピーディーかつ効率的に提案していくためにも、絶対に必要であると考えていました。ハウスコーディネーターの仕事は多岐に渡ります。内装を決めること、電気配線図を作ることなど様々な業務を抱えており、そのような中で少しでも業務を効率化していくためには何をすべきかを考え、パック化を考えました。
――8つの「インテリアスタイルパッケージ」の中でも、特にアエラホームで家を建てられる方々の中で人気のスタイルは、どのスタイルでしょうか。
柄沢 この中では「ジャパニーズ&モダン」や「フレンチ&シック」が人気ですね。特に女性に人気なのが「フレンチ&シック」で、白を基調としたトーンが好評です。そして、現在の流行は「インダストリアル&カフェ」のスタイルで、どちらかといえば無骨でカジュアルなカフェ感のあるスタイルが、若年層の方を中心に人気です。
このほかにも、「カラフル&デコ」のスタイルのようにチャレンジングなカラフルな内装も用意しています。また、韓国風インテリアということで「コリアン&モード」というスタイルも好評です。
――床材、壁紙、照明、建具等のトレンドについてもお聞かせいただけますか。
柄沢 まず間接照明は、おしゃれな空間を作る上でとても大事な要素になっていますね。ワンポイントでペンダントライトを使うケースもありますが、基本はダウンライトで構成することが多いです。トレンド感は難しく、先ほども申し上げた「ミニマリスト」が少し増えてきている感触はあり、グレイッシュなトーンもまだ流行っています。空間をすっきりと見せるのが好みであるという方は、やはり多いのかなと思いますね。

――今後の商品展開などの展望などについても教えていただけますか。
柄沢 先ほどの「インテリアスタイルパッケージ」については、2025年3月に新たなスタイルを2つ追加する予定です。1970年代にタイムスリップしたかのような「レトロモダン」な空間が最近流行りなので、レトロすぎずモダンチックな要素を反映させたスタイルを打ち出す予定です。
もう一つは、ミニマリストを対象としたグレイッシュな空間で、すっきりとした空間の提案ですね。これらのインテリアスタイルにマッチするようなインテリアアイテムについて、家具メーカー様からの商品提案も歓迎します。
そしてさらに今構想しているのは、造作家具にも力を入れていきたいということです。建築業者としての造作家具、例えば建物に埋め込まれているソファやベンチ、あとは階段下の「ヌック空間」を設けて寛ぎの空間を造作として作っていく。遊び心のある空間として提案できれば良いと思っているのですが、このような「ヌック」の空間などは、市販の置き家具では設けることができず、建築の一部として提案しないと不可能なものです。したがって当社で図面を作り、現場の大工さんに作っていただく形になると思います。このような方向にシフトチェンジをして、よりアエラホームとしてのオリジナリティを打ち出していきたいと考えています。
――最後に、ユーザーの方々に向けてメッセージをお願いします。
柄沢 当社は家のみならず、外構や内装など全てを提案してこそ、本当の家作りだと思っています。当社に任せていただいていただければトータルで素敵な暮らし提案を行うことができますので、是非ご検討いただければ幸いです。
(聞き手 佐藤敬広)