
カリモク家具(愛知県東浦町、加藤正俊社長)は2025年6月3日(火)~6月5日(木)の3日間、東京ビッグサイトにて開催されるオルガテック東京2025に出展。「なんでも作るよ」をテーマに、さまざまなコラボレーターとの協業に取り組む当社の企業姿勢と技術を紹介する。
一昨年、昨年に続き3回目となる今回の出展では、副題に「Your Journey is Our Journey」を掲げ、家具製造に留まらないモノづくりの幅広さと、それを支える当社の木材加工技術と知見を、5つの展示ゾーンを巡る「旅」の体験を通して表現する。昨年に引き続き、展示全体のディレクションはプロダクトデザイナーの小宮山洋氏、企画は小宮山氏と藤本美紗子氏(inu)。会場デザインは新井里志氏、中富慶氏による建築デザインユニット“Kii”が担当。メインビジュアルは国内外で活躍するアーティストのAkari Uragamiとアートディレクターの岡崎由佳氏(Inko)、会場パンフレット等の編集・執筆を後藤知佳氏が手掛ける。
展示レイアウト
デザインユニットKiiを迎え、当社とコラボレーターとのコラボレーションの深度別に5つのゾーンを設定。壁を廃し、各ゾーンが緩やかにつながる、開かれた「広場」のような空間構成となる。虫食い材を用い鉄媒染塗装を施したものや、Akari Uragamiのアートワークをプリントしたものなど、ブース内に点在する計12種の柱や、当社が調達・管理する豊富な木材をイメージした受付カウンターなど、技術を凝縮した、Kiiデザインの什器やオブジェの数々にも注目だ。
Zone A:発見を待つマテリアル

コラボレーターと何かを作り始める際、木材を接着させ塊を作り、そこから任意の形状を削り出すことが、当社のモノづくりにおける定番の流れ。Aゾーンでは、そのようなプロダクトになる手前の、それぞれに異なる加工を施したマテリアルやオブジェの数々を配置し、その後に続く多彩なコラボレーションへの期待を高める。
Zone B:加工を着替える

Bゾーンでは、既存の3種のチェア(MAS「WK Chair 01」、Karimoku New Standard「Castor Chair」、CAP「CAP Chair」)に、特殊な塗装仕上げや樹種変更を施した特注モデルを展示。大きく変わる見た目の印象と、選択肢の広がりをプレゼンテーションする。塗装の艶を段階的にコントロールしたモデルなど、各モデルの比較を楽しみながらその表現の幅広さ・奥深さを実感できるエリア。
Zone C:なんでも作れる

カーブを描くひな壇が特徴的なCゾーンには、株式会社アシックスとのコラボレーションで生まれた、廃棄予定のシューズを粉砕し、家具のクッションにリサイクル材料として有効活用した「Polar Lounge Chair」の特別モデルをはじめ、ロサンゼルスのデザインスタジオWAKA WAKAや、滋賀県甲賀市のアートセンター・福祉施設「やまなみ工房」など、さまざまな領域のクリエイター・組織とのコラボレーションから生まれた、特注家具やプロダクト、アートワークが並ぶ。
Zone D:対話を生む空間づくり

Dゾーンでは、既存製品を用いた新たなオフィス空間、特に「会議室」のあり方を提案する。向かい合う人と適度な距離が取れるように特注サイズで製作したKarimoku Caseのコーヒーテーブル「A-CT01」を、同ブランドの「N-S03」など複数のソファが囲み、リラックスできつつも活発な発想と言葉が交わされる空間を作る。Kiiのオフィスの内装デザインの経験を踏まえ、PCを持ち込まない対話の場という会議室の新様式が立ち上がる。
Zone E:広場からさらに遠くへ

中央に位置するEゾーンでは、オフィスのオープンスペースの使い方に多様性をもたらす「受け皿になるような広いテーブル」として、特注サイズ(2700×1300mm)で製作したKarimoku New Standard「Spectrum」シリーズのテーブルが2台並ぶ。その周りをKarimoku New Standard「Panorama」シリーズが囲み、既存製品の使用シーンの一例を表現する。テーブルの天板には、ヨーロッパ産オークと、国産クリの2種を使用。いずれの樹種も、独自の資材調達ルートとフィンガージョイントの技術によって、特注サイズでの製作が実現している。