カリモク家具(愛知県東浦町、加藤正俊社長)は、「Karimoku Case」において、新たなケースとなる CASE 12「Vinhuset(ヴィンフセット)」を発表した。
舞台はスウェーデン南西部のワイナリー&リゾート「Ästad Vingård」に新設されたウェルネス施設で、デザインディレクションと建築設計はデンマークのノーム・アーキテクツ(Norm Architects)が担当。カリモクは既存コレクションに加えて、同施設のために新たに設計されたダイニングチェアやバー スツール、ラウンジチェア、テーブル類など計9点の特注家具を製造した。
「Vinhuset」は、レストラン棟“ÄNG”、湖畔のリトリート施設“Sjöparken”に続く、Ästad Vingårdとの第三の協働プロジェクトとなる。元は受付棟だった建物を全面的に改修し、レセプション、ヨガ・瞑想室、リラクゼーションラウンジ、バー、温室を備えたスパ・ウェルネスの中核施設として再生させた。
敷地はなだらかな丘陵に囲まれており、建物群は高低差に呼応するように配される。湖畔リトリート“Sjöparken”を想起させる緑化屋根が全面に施され、周囲にはハーブや野菜を育てるガーデンが広がる。建物は風景に溶け込みながらも、直線的なファサードがモダンな印象を与え、自然と建築の対話を図る構成だ。
内部空間はフロアごとに明確なトーンを持たせ、滞在のシークエンスに合わせて体験を変化させている。滞在の起点となる一階レセプションは、深い色合いの木構造、音を柔らかく吸収するレンガ床、表情のある塗り壁など、テクスチャーの異なる素材を重ねた落ち着いた空間だ。中央に据えた長大な木製カウンターは、周囲を取り巻く葡萄畑とレストラン“ÄNG”へのオマージュとして設計されている。
バーラウンジにはKarimoku Caseの家具を中心にコーディネート。透け感のあるミラーレースカーテンやファブリックの柔らかさと、レンガ・無垢材の力強さが対比する。床から天井までの大きなガラス窓は温室を思わせる開口で、湖と“ÄNG”の全景を切り取る「生きた絵画」として機能。来訪者は、ワインを片手に、静かな朝のコーヒータイムに、あるいは暖炉の火を前に、思い思いの時間を過ごすことができる。
建物外周には、木製の列柱廊が連なり、全面ガラス越しに広がる牧歌的な風景を眺める回廊空間を形成する。レンガ張りのスチームルームには円形のトップライトが穿たれ、天窓からの柔らかな自然光が蒸気の粒子を浮かび上がらせるなど、光と陰影の演出が身体感覚を静かに刺激する。
オイル仕上げのダークオークで仕上げた大階段を上ると、二階には一転して軽やかで明るい空間が現れる。ここでは淡い色調と軽い素材を中心とした内装とし、ヨガや瞑想、リラクゼーションに適した清浄な環境をつくり出している。
さらに屋上へと上がると、緑化されたテラスが丘の稜線と連なり、葡萄畑を一望するパノラマの眺望が広がる。滞在体験のクライマックスとなる場所として、自然の静かなリズムに利用者を再接続させる象徴的なスペースだ。
こうした構成により「Vinhuset」は、レストラン棟“ÄNG”とリトリート“Sjöparken”で始まったストーリーを受け継ぎながら、ワイナリー全体のハブとなる役割を担う。複数の建築要素を束ねつつ、独自の存在感を放つ拠点として、同施設のウェルネス戦略の中核に位置づけられている。
今回のCASE 12「Vinhuset」では、ダイニングチェア、バー スツール、ダイニングテーブル、ラウンジチェア、コーヒーテーブル、サイドテーブルなど、Norm Architectsによる新作9モデルが開発された。いずれもVinhusetの空間言語に合わせ、ダークトーンのオーク材と豊かな張地を組み合わせた落ち着きのあるデザインが特徴で、ライン・ボリューム・触感のバランスにより長時間の滞在に適した座り心地を追求している。これらのうち一部は、今後Karimoku Caseの新コレクションとして市場投入される予定だ。






