カリモク家具(愛知県東浦町、加藤正俊社長)は2024年5月25日(土)~6月29日(土)の間、同社が運営するKarimoku Commons Tokyo(東京都港区)の1Fのギャラリースペースで、天然石材の調達から加工・販売・施工を行う関ヶ原石材(岐阜県関ヶ原町、小林亮太社長)による企画展「いとしき きといし」を開催している。
同企画展は、関ヶ原石材とカリモク家具のコラボレーションによって、「石と木」への愛しさを再発見し、見つめなおす展覧会。
石と木という2つの素材の魅力について、関ヶ原石材とカリモク家具がそれぞれの専門領域で培ってきた知識と経験を活かし、素材の個性や特性を通じて、石と木の新たなる物語性を追求した。
企画・展示デザインをトラフ建築設計事務所の鈴野浩⼀氏、同じく企画・クリエイティブディレクションをザッツ・オールライト(湯本メイ氏、河西達也氏)が担当した。
5月24日には、開催前の内覧会を開催した。会場は「いとしき、地球素材」ゾーンと「いしとき、の、出会うところ」の2ゾーンで構成。
「いとしき、地球素材」のゾーンでは、石材と木材の自然としての「素材」と、建材としての「素材」の表情を体感できるオブジェクトを展示している。
オブジェに使用されている石材は、
オンダートオニックス、ローザオーロラ、ジンバブエ、マニルーブル、秋保石、レインフォレストグリーン、ベージュチェッポ、ラブラドリーテアンティーク、ゴールデンフランス、トラベルチーノロマーノの各種。
同じく木材は、
モンキーポッド、虫食いナラ、パープルハート、ナラ、サペリ、ウォールナットの縮み杢、パドゥーク、ヒノキの各種。
また、「24SENSES」として、特に希少価値の高い12種類の石と12種類の木を一同に取り揃えている。実際に手にもって質感を確認することもできる。
会場の外にもオブジェクトを配置。これは大理石のゴールデンフランスで、カットしたままの原石を小さなサイズで展示している。石材に書かれている文字は、切り出しや輸送時のナンバリングをスプレーで印したもの。遠くイランからはるばるやってきた石だ。
庵治石とホオの木の組み合わせ。庵治石は言わずと知れた、香川県高松市で採掘される高級石種。ホオは里山の広葉樹だ。
受付にも使用されていたカウンターテーブルは、スツールに大理石「ジュラシックブラウン」の天板を載せたもの。
脚部には「AAハイスツールby Karimoku」として、高知県の魚梁瀬杉を用いた。石巻工房のスツールをリメイクしたプロダクトをベースとしている。
「いしときの、出会うところ」ゾーンでは、本展の開催に合わせ関ヶ原石材が選んだ新石種の大理石と、カリモク家具の木工技術を融合させた新たなプロダクトを展示している。このサイドテーブルは、脚にアウリジーナフィオリートという石材を使用し、天板部分にカーリーメープル材を用いた。
別モデルでは、天板にハゼ材を使用した。
堂々と鎮座する「kitoishi TABLE」。中心部にトルコ産の石材「キンツギ」の大理石を、その周辺にはベージュの地に様々な石が混じるブラジル産の大理石「チェッポ・ディ・ボルピ」を配した。
そして縁および脚には、ナラ材を使用。
「木と石」それぞれの個性を詰め込んだプロダクトが、空間を彩っている。
(佐藤敬広)