飛騨産業(岐阜県高山市、岡田明子社長)が2024年5月25日(土)に、同社関東地域で最大の店舗「HIDA東京神谷町店」をリニューアルオープンした。
飛騨産業は2020年に創業100周年を迎えたことを機に、「飛騨を木工の聖地とする」を志し、「4つの価値観」を制定。「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」に基づき、商品開発およびブランディングの推進を行っている。
これに基づき同社では、本社を構える地元岐阜県高山市の店舗「HIDA ⾼⼭店 森と暮らしの編集室」を皮切りに、直営店舗を順次リニューアルし、「4つの価値観」を顧客により分かりやすく伝える施策に取り組んでいる。昨年4月には「HIDA大阪店」をグランフロント大阪に移転リニューアル。そして今回、関東地方の拠点である「HIDA東京神谷町店」のリニューアルとなった。
「HIDA東京神谷町店」は、2009年に「飛騨の家具館東京」として、東京・西新宿のリビングデザインセンターOZONEから移転オープンして以来、今年で約15年が経過した。
2017年に飛騨産業は、近隣の東京ミッドタウンにも店舗をオープンしたが、今回のリニューアルに伴い、東京神谷町店では主に国産材を中心とした椅子(チェア)、テーブル、ソファなどのインテリアアイテムやコントラクト向けのラインナップを、ミッドタウン店には「KOYORI」や「クマヒダ」といったデザイナーズ家具を集約し、すみ分けを図ったという。
リニューアル後のレイアウトは、動線を基本的に1本に設定し、要所に曲がり角を入れながら様々な商品が視界に入ってくるようなレイアウトとなっている。格子も採り入れ、透け感ももたせた。
今回のリニューアルにおける大きな特徴の一つは、国産材家具商品の充実だ。リニューアル前、東京神谷町店全体で約37%ほどだった国産材商品の割合は、リニューアル後には約50%にまで拡大。店内展示スペースの約半分ほどを国産材家具で占めた。
東京神谷町店は、予約者優先での店舗案内としている。これまでも同店を訪れるユーザーは、特定の商品の購入を検討し、その座り心地を確認するという明確な目的をもって来店するユーザーが多かったという。来店後、店舗スタッフがユーザーの考えをしっかりとヒアリングすることで、結果的に当初検討していた商品とは別の商品を購入したユーザーもいるようだ。充実した製品ラインナップと提案力を誇る同社ならではといえるだろう。
コロナ禍が明け、特に近隣の麻布台ヒルズの開業以降は、予約はせずにふらりと店舗を訪れる顧客も増加したという。
今回のリニューアルにあたり、店内にアロマコーナー「森の香りの研究所」を新設。アロマ系商品は以前から取り扱っているが、改めて店舗内に独自のスペース・什器を設けて販売していく。家具とともに買い求めるユーザーが多いが、もちろん単品での購入も可能。
そして、埼玉県川口市を拠点に障がいのあるアーティストが活動する「工房集」の作品の展示販売も行う。店舗内の壁面にアート作品を多数掲示している。
コントラクト向け製品の提案も店内奥の区画で行う。ここには、国産のクリ材やスギ材を活用したアイテムなどが並ぶ。昨今は特にコントラクト案件で国産材の導入を希望する企業が多いといい、飛騨産業でもそのようなニーズに応えるべく国産材家具アイテムの展示数を増やし、きめ細やかなニーズに対応できる点について訴求を図る。
以下、主な展示商品
装いも新たに再始動した「HIDA東京神谷町店」。飛騨産業がもつ木工技術によって生み出される家具を体感できる場として、今後も同社関東地区の拠点を担う。
(佐藤敬広)
◇店舗概要(2024年5月25日時点)
店名:HIDA東京神谷町店
住所:東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル1F
営業時間:11:00 – 19:00 水曜・第3木曜定休
TEL:0120-606-503(フリーダイヤル) 、03-5425-6661
広さ:452平方メートル