インドトレンドフェア東京 テキスタイルのSDGsプロジェクトが日本上陸 -INDIA TREND FAIR-

日本インド国際産業振興協会(JIIPA/東京都港区、ゴドガテ・プラシャント理事長)は、7月20日から22日までの3日間、ベルサール渋谷ガーデン(東京都渋谷区南平台町16ー17 住友不動産渋谷ガーデンタワー 地下1階)でインドトレンドフェア/アパレル&ホームアパレルビジネス展示会を開催する。出展分野はアパレル、インテリア雑貨、ハンディクラフトなど多岐にわたり、出展社数は150社を予定。

同展開催には、インドで先行するSDGsへの積極的な取り組みが背景にある。インドのナレンドラ・モディー首相はSDGs、とりわけそのうちの1つの目標である「貧困をなくそう」をテーマに政策を推進している。これを受け、同国テキスタイル産業のリーディングカンパニーであるテクノクラフト社社長のシャラード・クマール・サラフ氏(FIEO:インド輸出組織連盟会長を兼任)は首相の取り組みに呼応。「Project1000」と命名したSDGsへの取り組みを二年前より立ち上げた。プロジェクトの責任者はシャラード氏の息女のリッツ・サラフ氏。

リッツ・サラフ氏

同プロジェクトには二つの側面がある。一つは、裁断後不要になった断片を再利用して布に加工し、その布を使い新たな製品を生み出すアップサイクリングの側面。使用する生地はいずれも100%天然綿または麻、綿、竹やリサイクルペットボトル繊維を組み合わせた素材を活用。環境保全を主眼にした取り組みだ。

もう一つは、インドのマハラシュトラ州の貧困にあえぐ人々を1日1000ルピーで雇い、自立生計に向けて支援するというもの。従事者は2カ月にわたりデザインや技術についてトレーニングを受けた後、アップサイクリングに従事する。仕事を提供し、貧困の緩和と職人としてのスキル養成につなげていく。

1000ルピーは日本円で約1700円にあたるが、同地域の人々が月平均一万円で暮らしている状況からすると大幅な待遇改善につながる。また、労働者は、他の従事者に仕事を教える水準に達すれば、給与上昇の機会を得られる。

プロジェクトで生み出された製品は、テクノクラフト社を通じて欧州で販売が進展、OEMでの提供を中心。日本では3月の開催に引き続き今年2度目で、OEM先の模索が続いている。7月展はより規模を大きくしての開催となり、SDGsという現代人類にとっての共通課題に向けた具体的取り組みを体現する展示会になると期待される。

なお、来場は無料だが事前登録が必要で、QRコードより登録が可能。会期中はセミナーも開催予定で、次号詳細を掲載。

インドトレンドフェア―東京2022 公式WEBサイト:https://www.india-trend-fair.tokyo/

日本インド国際産業振興協会 WEBサイト:https://npo-jiipa.org/