旭川デザインセンター リニューアルオープン -Asahikawa Design Center-

旭川家具工業協同組合(北海道旭川市 藤田哲也理事長)は4月1日より、同組合の拠点である旭川デザインセンターを産業観光拠点としてリニューアルオープンした。同施設は第3回事業再構築補助金制度の採択を受けて改修が行われた。

来場者に挨拶する藤田理事長

3月30日にはメディア及び関係者向けに内覧会が開かれ、一般公開となるソフトオープンに向けて新しく生まれ変わったデザインセンターの紹介が行われた。なお、6月に行われるあさひかわデザインウィーク2023のスタートにあわせ、6月17日にグランドオープン、本格運用を開始する予定。
 今回のリニューアルによって、旭川家具のデザインや歴史を学ぶことができる「ADC MUSEUM」、来場者がワークショップを通じて木工を体験できる「ADC LAB」、厳選したクラフトやオリジナル製品の購入ができる「ADC SELECTION」の合計3つのゾーンが新たに誕生した。
 藤田理事長は、「五大産地の一つである旭川を家具の聖地として認知定着を図り、産業観光拠点として同センターの来場者を増やしたい」と語った。コロナ禍では年間2万人程度が訪れていたが、旅行会社や地域の連携、SNSの発信を積極的に行い、5万人まで引き上げることを目標とする。また、地域の小学校の行事に同センターの訪問を組み込むなど、同市の伝統的な家具の魅力を伝え、産業を未来に残していくために同センターを積極活用したいとした。

内覧会では、新設の3つのエリアについて、同組合の杉本専務理事が紹介した。案内は内覧会のメイン会場として使われた「ADC MUSEUM」よりスタート。同エリアは2階に位置し、旭川家具の技術やデザイン、歴史を学ぶことのできる場所である。ミュージアムの入り口は短い通路になっており、両脇にはIFDAの受賞作品や歴代の旭川家具の展示がある。

エリアに入るとすぐに、無垢材から椅子ができるまでの工程を示したパーツ展示を見ることが可能。壁には旭川の歴史と、旭川を拠点とする各社の椅子が30脚以上陳列された。最も古い物で50年以上前の製品もあるという。また、映像を利用してプレゼンテーションの場としても使えるエリアで、ビジターや課外授業に訪れた小学生向けに利用を予定している。

ADC LAB
ADC COLLECTION

1階の建物入ってすぐ左手には「ADC LAB」が設立された。ワークショップを通じて木工に触れることができる体験施設で、テーブルが並び、最大24名が参加可能。産地ならではの木育の拠点とし、旭川家具の技術を体験できるという。
エントランスから入って右手奥には、「ADC COLLECTION」のコーナーが新しく設けられた。三段に分かれた陳列棚に、ユニークで小ぶりなチェアや、木で作られたコーヒーマグ、人形、置時計などが展示。観光需要に対応すべく厳選した旭川クラフト品やオリジナルアイテムを購入できるギャラリーゾーンであると同時に、旭川で活動するクリエイターを紹介する狙い。

なお、リニューアル以前は「ADC SPACE」として存在した企画展示エリアは、「ADC GALLERY」と名前を変えた。以前と同じく、半期に一度の間隔で企画展示を行う。
また、各社の製品展示エリアもリニューアルされた。1階にはアーリー・タイムスアルファ、アイスプロジェクト、旭川・家具工房連、いさみや、ウッドワーク、加藤木工、工房橅、工房ペッカー、工房まみあな、工房宮地、コキア、古径コスモ、コサイン、ササキ工芸、東10号工房、よしの工芸、山岡木材工業の合計17社がそれぞれ自社製品を展示。
2階には、アルフレックス、インテリア北匠工房、エフドライブデザイン、ガージーカームワークス、河本家具工業、カンディハウス、木と暮らしの工房、クリエイトファニチャー、ソファー工舎、大雪木工、タイムアンドスタイル、匠工芸、宮田産業、ワオの合計14社が展示。展示製品には金額が掲示されており、来場者は同施設内で購入手続きを行うことも可能だという。

旭川家具工業協同組合 企業WEBサイト:https://asahikawa-kagu.or.jp/
旭川デザインセンター WEBサイト:https://asahikawadesign.com/