オカムラ(横浜市西区、中村雅行社長)は、「みんなに、みらいに、自然なかたち」をコンセプトとしたブース展開を行った。オフィスを活き活きと働きやすい空間にする「誰もが働きやすい環境」提案と、企業活動で当たり前のこと「地球にやさしい環境」の2つのゾーンを設定。それぞれを赤と緑のラインで表現したキービジュアルでゾーンを分けた。ブースの壁面デザインにも、同社のこのキービジュアルでコンセプトの頭文字「み」の文字がデザインされた。「誰もが働きやすい環境」と「地球にやさしい環境」の2つの視点が交わる先に、次の当たり前が見えてくるとし、ブース内で開発製品が叶える未来の環境とサービスの提案と、開発思想と企業の取組みを紹介した。
今回のコンセプトでもある「みんなに、みらいに、自然なかたち」の「自然」とは、働く上での自分本位、「自然体」という側面と、環境における「自然」の両面を含んだもの。これから先の時代、様々な企業が「当たり前に考え、当たり前に取り組んでいくこと」を同社は今回のオルガテック東京で表現した。「環境配慮に関して、製造業の責務としての取組み、またそのソリューションとして自社製品をPRできているということは、当社の強みだと考えている」同社マーケティング本部プロモーション部の太田康生部長は語る。これからの時代は、日本の企業全体が「働く場所」を考えたときに同社の製品を選択することで、環境への配慮にも貢献できるという点を訴求した。
オカムラは1997年からGREEN(環境配慮)のWAVE(波)を自ら起こし、その波に乗る考え「GREEN WAVE(グリーン・ウェーブ)」に取り組んできたが、21年に同社独自の環境基準見直しを図る。これは2050年のカーボンニュートラル実現を目指す上で「サーキュラーデザイン」の考え方を策定。以降、より環境に配慮した商品開発を進めて展開してきた。また22年1月からは、排出量と同等の排出権(クレジット)付きの製品を取引先に提供する「カーボンオフセットプログラム」を開始しており、ITコンサルティングのJSOLをはじめ、賛同する企業が増加しているという。事務所等を改装する上で、自然環境の配慮に取り組む意識が様々な企業で高まってきているようだ。
ブースには、昨年の初回オルガテック東京でも注目を集めたポータブルバッテリー「OC(オーシー)」がいたる所に配備された。自由な働き方の実現のため、電源コンセント不要でコードレスによるワークプレイス構築実現を目指すための提案だ。通信系電波が、有線ケーブルから無線LANへの変化によってコードレスで繋げることが可能となったように、給電面ではこの「OC」を用いることにより、オフィス内で様々なスペースで働くことができるといった、働き方の自由度の向上を導入メリットの一つとして同社は挙げる。そしてオフィス管理の視点においても、オフィス床面の配線工事等が不要になること、それによって家具の配置の自由度が増すといった点も同社は訴求する。
それに加え、在宅ワークスペースの充実もますます求められてきているという。そのため、在宅ワークを含めリビングライクな空間を求める層に対しては、ソファなどをメインに人と人との「縁」をつなぐことを意識した「WORK VILLA(ワークヴィラ)」を提案。働く上でのICTサポートツールについても、オンライン会議をより効率よく行うためのワークブースや、オンライン会話が明瞭に聞こえやすくするためのWeb会議用音声コミュニケーションツール「TALKHUB(トークハブ)2」、モニター型のPCなどを展開し、シームレスなオンライン会議のモデルケースを提示した。
太田氏は「コロナ禍の3年間で、働くスタイルや意識が大きく変化し、在宅ワークやサードプレイスで働くことができるようになった。この先も、この傾向は続くと思う。今回の展示のように、我々は多くの人々が快適と感じることができる環境とはどのようなものか、ということを常に考え、未来のオフィスの在り方や価値を考えながら、ものづくりに取り組んでいる」と話した。