【オルガテック東京2023ピックアップレポ⑤ スミノエ】オフィス空間をオーダーメイド受注 ラグ・家具・テキスタイルで独自提案

スミノエ(大阪市西区、村瀬典久社長)はオルガテック東京に出展し、同社のラグ、家具、タイルカーペットが織りなすActivity based Working(ABW/アクティビティ・ベースド・ワーキング)に合わせた空間提案を行った。

リチャージスペース

ブースでは、簡単なコミュニケーションも取れるリラックス空間を想定した「リチャージスペース」と執務エリアを想定した「ワーキングスペース」に分けて提案した。展示された製品は、ラグだけでなくチェアもスミノエグループで製造。家具を含めたトータルコーディネート、オーダーメイドが提案可能なことを訴求した。
同社はテキスタイルやタイルカーペットを主に取り扱っており、家具を展示、訴求したのは今回初めてとなる。約3年前にシーピーオー(東京都渋谷区、青木伸郎社長)をグループ会社化したことで、オリジナル家具を組み合わせた提案も行えるようになった。オルガテック東京では多くのデザイナー、建築設計事務所の来場を想定して、マテリアル、家具の両面でプレイヤーの琴線に触れるよう同社の魅力を最大限活かした形だ。

シーピーオーは店舗設計施工を得意とするが、八王子に製造工場を有しており、家具も製作している。同社は合流直後からテキスタイルと家具の提案活動を行っていたが、コロナの影響もあり、これまで展示会などへの露出はなかった。状況が緩和したことを受け、オルガテック東京に初出展し、アピール。今後グループ会社の総合提案力の加速に貢献していく。
リチャージスペースは、塩ビの織物調の床材「HT FLOOR 2tec2(ツーテックツー)」をメイン商材として出品。日本庭園の様式の一つである枯山水を再現した展示を行った。本来は石、砂、岩などを使って水門や川などを表現するところを、ツーテックツーの砂のようなテクスチャーの床材やオーダーラグなどを使って巧みに再現した。

ワーキングスペースに展示されたオーダー家具

ワーキングスペースでは、ハイカウンターを横に倒すとデスクに変化するといった、状況に応じて使用用途を変更できるユニークな家具を参考出品した。オーダーメイド製品であり、施主の希望に応じて形状や素材、仕上げに至るまで細やかな対応をすることができるという。設計・見積もりが完了後、製作は1週間から10日程度で完了するため、短納期の対応も可能となっている。
また、ワーキングスペースの床材は環境に配慮したECOS(エコス)を使用した。
通常、タイルカーペットを廃棄する際、全て埋め立てにより廃棄されるが、スミノエは2011年からバッキングの塩ビの部分を再生して、再びタイルカーペットに使うという循環を構築した。この循環により再生産されたタイルカーペットがエコス。具体的には、顧客のタイルカーペット廃棄時に自社他社問わず提携業者が回収。千葉のリサイクル工場で塩ビ部分を分離する。これを再生材として生成し、タイルカーペットとして再利用するという。
環境に配慮した製品の採用は昨今のトレンドであり、施主からの要望も強い。同社では全見本帳をエコスシリーズにすることで対応している。空間のトータルコーディネートに加えて、環境保護の観点でも同社の先進的な取り組みが見て取れる展示内容となった。