JKホールディングスグループのジャパン建材(東京都江東区、小川明範社長)が主催する住宅建材の総合展示即売会である第44回ジャパン建材フェアが、2023年8月24日(木)および25日(金)に東京ビッグサイト(東京都江東区)の東展示棟にて開催された。
今回も昨年に引き続き「ROAD to 2030 つなぐ今 つなげる未来」をテーマとして設定。住宅産業からサステナブルや持続可能な生活・脱炭素化社会に向けた取り組みを推進・発信した。東3ホールはAゾーン、東2ホールはBゾーン、そして東1ホールをCゾーンと3つのゾーンに分けて展開した。
今回の同展で、家具の展開として目立つ展示となったのが、「共にFurnituire(F&F)」の提案販売で、ジャパン建材での家具取り扱い認知向上のためのブースだ。昨年の同フェアでは「JKBASE」に家具を展示し、内装デザインや家具インテリアの専門知識をもたないビルダーや工務店むけに、家づくりの段階から連携してトータルコーディネートを図ろうとするメーカー製品が置かれた。
今回も引き続きその取り組みが継続して行われ、F&Fの協力企業には現在、朝日木材加工、札幌ファニシング、高野木工、筑波産商、野田産業、浜本、ミキモク、モーブルの各社が名を連ねている。F&Fの取り組みでは、ユーザーの要望に合わせてこれら協力メーカーがプレゼンボードを作成し、提案するというもの。
昨年からスタートしたF&Fの取り組みだが、始まって間もないこともあり、認知度としてはあまり高くないという。しかしながら、前年も展示会後に問い合わせが入るケースもあり、徐々に認知度は向上しているようだ。
新築の住宅などでは、リビング空間に合わせた家具の提案についても工務店が行っているが、F&Fではプランボードの作成について、工務店からの依頼を受け、ジャパン建材経由で案件ごとにメーカー又はジャパン建材が作成している。工務店側は、ジャパン建材の営業所へオーダーした時点で、見積書およびプランボードのデータを工務店は得ることができるため、業務の効率化や細やかなサービス提供につなげることが可能となる。
ジャパン建材は今後、F&Fの協力商社・メーカーを拡大していく予定だが、その基準は、同社が契約している運送業者が、契約者の住宅まで配送し、開梱と設置も行えるようなメーカー製品であることが条件だという。また、一般的な販売店ルートとは商流が異なり、あくまでもジャパン建材・工務店経由での商流を通じた価格での家具の提案となる。そのため、この商流に加わることに難色を示す企業が一定数見られそうであるという点も、F&F拡大に向けた今後の課題の一つとなりそうだ。しかしながら、よりインテリアの提供について、サービスを向上させたいと考える工務店関係者が多くF&Fブースに訪れており、注目は高まりつつあることが見てとれた。