カンディハウス、直営店で3D提案を開始 エンドユーザー・コントラクトの両面へ提案強化図る

カンディハウス(北海道旭川市、染谷哲義社長)は、直営展開する旭川、道央(札幌)、東京、名古屋、大阪の各ショップで、メガソフト社の3D提案ソフトである3Dアーキデザイナーを導入した。同社の直営ショップは、百貨店やハウスメーカーなどのプロユーザー向けのショールーム機能を有すると同時に、エンドユーザーへの直売も兼ねる。3D提案ソフトを導入することで、プロ、エンド両面に対して提案力を向上させる狙いだ。

営業開発推進部サブマネージャーの横山一雄氏によれば、同社がメガソフト社の3D提案を活用し始めた出発点は、コントラクト営業への活用だったという。同氏はある営業担当者が、非住宅案件への提案に同社のソフトを活用していたのを見て、社内で積極的に活用するべきだと感じたという。当時は、同社の製品データはほとんど使われておらず、営業担当者もソフトの編集機能を用いて対応していた。そこで横山氏が推進・旗振り役となり、自社データの作成と整備に乗り出した。現在ではほとんどすべての製品を網羅している。張地は約80種そろえているが、全てソフト上で再現できるようにもした。

木部も、ナラ、タモ、ニレ、サクラ、ウォルナットなど多くの樹種ラインナップをそろえるが、木の色味の違いも反映した。去年の秋より直営店へ全店展開するために、講師役として各地での研修にも赴いた。今年の2月、展開も完了し、ホームページ上で3D提案のアナウンスを開始した。「これまでやってきたような、サンプル品だけで、木部と張地の組み合わせイメージを持ってもらうことはなかなか難しいものです。3Dアーキデザイナーを使えば、お客様の好みの張地と木部の組み合わせの家具を可視化できるばかりか、それをご自宅に置いたときのイメージも提供できるのです」とソフトへの期待を寄せる。ソフトの機能を十分に活かすためには間取図が必要だが、ホームページ上の呼びかけもあり、すでに多くの来店客が持参しているようだ。

また、エンドユーザーへの接客時には、ソフトの描画速度も重要だという。「数ある3D提案ソフトの中でも、メガソフトの3Dイメージは描写速度が速いです。販売の現場に最適です。まずは、おおまかなイメージを持って頂くことが何より大切です。」と同氏。

同社はまた、直営店での展開だけでなく、百貨店の売り場や展示会のブースイメージの提案や共有にも活用するなど、活用の範囲も拡大している。近年メーカーによる直販店が増加トレンドにある中で、このようなソフトはますます浸透し、メーカーにとって必須となる日も来るかもしれない。

(長澤貴之)