ファイングレードウールクラブ 原毛洗浄方法を公開 

高品質な羊毛寝具を開発展開するファイングレードウールクラブ(事務局 長尾商事)は、このほど独自の原毛洗浄方法を公開している。

寝具加工用に羊毛を洗浄する工程をスカーリングと呼ぶ。羊から毛刈りした原毛(グリージーウール)に混入している土砂を除き、ウールファイバー表面を覆う羊の脂や汗を洗い流し、付着する植物性夾雑物/牧草なども取り除く洗毛作業である。原毛に付着する脂は、約43度で溶解する為、生分解性の界面活性剤や洗剤をおおよそ50~60度の温水に加え洗浄する。

洗浄後のウール

水槽は5~6槽で、まず開毛し小片になった羊毛を第1槽に投入しフォークでゆっくり移動させながら土砂を洗い流し後方へ送る。槽と槽の間のローラーで水をしぼり、次の槽でも同様に洗浄を繰り返す。
最終槽は洗剤や活性剤を洗い流し中性になるようPh調整を行う。その後、連続して乾燥機とダストクリーナーを経由し輸出用に梱包される。1時間に約700/800㎏の加工速度である。

ウールはその年の天候や羊の成長状況により大きく影響を受けるので、原毛の洗い方は一律ではなく、その時の原毛状態に合わせ洗浄水の温度や速度を調整している。

排水処理し再利用
汚泥は乾燥させ肥料パレットになる

こうした洗浄時に発生する汚水は下水処理を行い洗浄水として再利用し、汚泥は乾燥させ工場周辺の野菜や果物農家へ肥料として供給しており、環境と人への安全を担保している。