高品質な羊毛製品の開発を進めるファイングレードウールクラブ(事務局・長尾商事)は、各ライセンス企業が消費者の要求に応える為のモノづくりに全力をあげている。
ファイングレードウールの品質を厳しく管理しているのが、(一財)日本繊維製品品質技術センター(QTEC)だ。一般アパレルの試験に加え、名古屋試験センターでは寝具用のウール混用率、かさ高性、清浄度、pH、夾雑物などの羊毛分析試験を、ファイングレードウール基準で行っており、海外の羊毛企業に対しても羊毛原料の品質を指導している。世界には3000種類の羊がおり、その羊毛品質は多彩であり、洗毛工場の技術も様々である。そうした異なる環境の中で、寝具に適した羊毛原料の品質を見極めるため、QTECはファイングレードウールクラブとコラボし消費者への安心を届けている。
大正7年に綿花商として創業し、現在はFGWCライセンシーである豊島綿業(名古屋市中村区、大塚洋右社長)は、日本人の寝具のスタイルも様変わりし、綿のふとんの需要は激減したとする。しかし新たな自然素材として羊毛原料を研究し、現在では英国、フランス、NZなどを原産とするバルキー性の強い羊毛原料を独自に確立、アッパーゾーンへの展開を目指すとしている。