メガソフトにみるインテリア提案デジタル化の流れ 専用データ制作は外注が約7割

メガソフト社のマイホームデザイナープロシリーズは、家具メーカー各社の製品データを使った3Dシミュレーションを可能とし、販売や提案の現場で活躍するソフトだ。とりわけハウスメーカーのインテリアコーディネーターを中心に人気の同ソフトだが、家具メーカーは自社製品のデータを使ってシミュレーションをしてもらうには、大まかに分けて二通りの方法がある。

一つは、メガソフト社に製品の3Dデータを渡して専用データに変換してもらう方法だ。この場合ソフト用データは、同社のデータセンターにアップロードされ、ユーザーはいつでもクラウドからダウンロードできる。メーカーは取り立てて周知することなくユーザーに自社製品の設置シミュレーションをしてもらえる。製品のサムネイルもあるため、ユーザーがメーカーについての知識が希薄でも、シミュレーションに利用される可能性もある。しかし、依頼するコストは比較的割高だという。

もう一つの方法は、専用の制作業者に依頼して、自社の3Dデータをメガソフト用に変換するというものだ。料金は前者に比べて割安となるのが最大の利点。しかしこの場合、メーカーはなんらかの形でユーザーにソフト用データを送る必要がある。問い合わせに応じて提供する場合もあれば、ホームページで公開するメーカーもあるなど、提供の方法は様々だ。存在するメガソフトの製品データの約7割は、このような制作業者に依頼する方式を採っているようだ。

R.DESIGN(アール・デザイン 日本支社:東京都中央区新川、今和泉 学社長)も、そのような制作業者の一つだ。前身は業務用特注家具のメーカーのため、家具についての造詣も深い。ベトナムにデータの制作拠点を構え、日本からの受注をこなす。1アイテムあたり、1万8000円から2万3000円程度で制作を請け負う。今和泉氏は、「コスト面でも自信があります。汎用3Dデータ形式で納品するため、メガソフトでお使い頂くほか、高精度なフォトリアルCGなど多目的にご利用いただけます。」と語る。昨今ではコストカットを目的に、新製品カタログにCG画像を使用し、スタジオを借りての撮影をやめる動きもみられるが、このトレンドに対応できることも併せて訴求したい狙いだ。

家具は元来、提案にスペースを要する製品だが、昨今では提案・販促のデジタル化が顕著となってきた。テクノロジーが与えるインパクトは大きく、引き続き注視していく必要がありそうだ。