マルニ木工(広島市佐伯区、山中洋社長)は、トラディション家具の再構築の試みとして「Manufacture -Allure of Tradition-」をテーマとした展示会を、2024年10月18日~11月4日にかけて同社maruni tokyoで開催している。
今回の展示会である「マニュファクチュール(Manufacture)」は、創業から90年が経過したマルニ木工の歴史とアーカイブを見つめ直し、“いまできることはなにか”を再考するプロジェクトとした。同展の開催にあたっては、英ロンドンの老舗百科店「LIBERTY」のファブリックなどを使用している。
マルニ木工の山中洋社長は「マルニコレクションのようなシンプルなデザインのシリーズも人気ですが、やはりもう一つ大きな“柱”を作っていきたいという思いがあった。マルニコレクションのデザインを手掛けていただいている深澤直人さんとの話から、有機的なラインのフォルムの商品を増やしたいということで、かつて製造していたトラディショナルな製品を思い出しました。当社が手がけてきたトラディション家具をどのように変化させれば、現代にふさわしい形で再びお披露目できるようになるかを、ずっと考えてきました」と、今回の展示会開催にあたっての経緯を語った。
展示会では、maruni tokyoの通常の空間を一新し、緑を基調とした鮮やかな空間とした。特注製作のベンチなども展示し、幅広いニーズに応えることができる対応力も訴求している。
「アントワーヌソファ」は、スタイリッシュにボタン締めし、リデザインして復刻した。
「エドワードチェア」は張替修理を実施。背の表と裏で異なる柄のファブリックを用い、様々なバリエーションをラインナップ。
「ベルサイユスツール」は1968年に発表の「ベルサイユダイニングテーブル」の脚を活用したもの。
「エジンバラスツール」は、復刻にともなって貫にスチールを加え、過去に存在しなかったハイスツールに形をアレンジした。
この2アイテムは、特注製作したカウンターに添わせた。
モザイクアーティストの永井友紀子氏とのコラボレーションにより生み出された「Madeleine Poltrona」も会場入口すぐに展示されるなど、マルニ木工の伝統と革新の世界観が満たされた空間が広がっている。