リビングデザインセンターOZONE(東京都新宿区)は、設計・インテリア・プロダクト分野の実務者を対象に、2025年11月から12月にかけて専門性の高いセミナー・展示を連続して実施する。3Dプリンターを建築・プロダクトにどう落とし込むかを第一線のデザイナーと共有するトークイベント、木質内装の新色を使ったホームステージング提案、インテリアデザイン表彰「JID AWARD 2025」の受賞作パネル展示、大学との産学連携展示など、実務のヒントとネットワーキングの双方を意識した構成とした。
目玉となるのは、11月14日(金)開催の「3Dプリンターが拓く新しい建築・デザインの世界」。プロダクト分野で3Dプリンターを活用するデザインラボHONOKAの横山翔一氏と、大阪・関西万博の「土の峡谷」を手がけた浜田晶則建築設計事務所の浜田晶則氏を招き、素材選定から造形、プロジェクト化までを具体的に語る。後半には参加者同士の交流時間を設け、異業種を含むパートナー探しの場としても機能させる。製造・建築・インテリアが同じテーブルにつく機会はまだ多くなく、OZONEは「新しいつくり方を実務に落とし込む足がかりにしてほしい」と狙いを語る。
展示では、木質総合建材メーカー・ウッドワンの無垢材「ピノアース」に追加された新色“ウォームベージュ”を軸に、町田ひろ子アカデミーによるコーディネートとザ・コンランショップの家具を合わせた「WOOD&LIFE Style Fair 2025」を11月13日(木)~25日(火)に展開。ラグジュアリー、北欧、ジャパニーズモダンといったスタイル別にホームステージングを見せ、建材×家具でどう見せ場をつくるかを実寸で示す。新築・リノベーション物件の販売現場や不動産関連の来場も想定した構成で、素材の“色”が空間提案にどう効くかを確認できる。
12月には、国内インテリアデザインの登竜門「JID AWARD 2025」の受賞作34点をOZONE館内にパネル展示。応募総数285点から選ばれた今年度の水準を一覧でき、商環境・住空間・プロダクトといった幅広いカテゴリーの“いまの基準”を一度に見られる。若手の事務所やインテリアコーディネーターにとっては、自身の提案をどこまで高めるべきかを測る材料にもなる。
さらに、東京都の多摩産材をテーマに東京造形大学の学生が取り組んだ「とうきょうの木 学び場プロジェクト」の成果展示も11月27日(木)~12月9日(火)に実施する。都市木材を家具・建材に落とし込む試みを学生の視点で見せ、今後のローカル材活用や公共空間の木化のヒントにしてもらう狙いだ。OZONEでは「専門家が最新の素材・技術・デザイン動向をまとめて確認できる時期」と位置づけ、ウェブで最新情報を順次公開していく。


