マルニ木工 「MARUNI COLLECTION 2024」新作を国内で販売開始

マルニ木工(広島市佐伯区、山中洋社長)が、この4月に開催されたミラノサローネで発表した「MARUNI COLLECTION 2024」を国内初公開した。2024年5月22日~24日にかけて同社のmaruni tokyo(東京都中央区)で新作を展示。全国の取扱店で販売を開始している。

会場内でひときわ目立ったのは、深澤直人氏によるアップデートした「HIROSHIMA」のモジュールソファだ。2009年にソファを発表した「HIROSIMA」シリーズだが、今回全面リニューアル。

座面はこれまではホームユース寄りの柔らかめの座面硬さに設定していたが、公共施設などでも利用者が立ち座りしやすいよう、硬めに仕様を変更した。ハウスメーカーやコントラクト案件、ホテルやマンションのロビー・共用部などでの使用も視野に入れて、このたびの変更に至ったようだ。本体の高さはそのままに、背もたれを約5㎝高くした。オプションアイテムのクッションを用いることで、座り心地の調整も行うことができる。

ソファに合わせた新作のオープンシェルフもラインナップに加わった。ソファ背面の傾斜に合わせて、シェルフも角度を合わせてある。このシェルフに、照明や小物などを並べることが可能だ。


「ST」ダイニングテーブル
「Tako」ラウンドテーブル

同じく深澤直人氏デザインの「ST」シリーズのダイニングテーブルと、「Tako」シリーズのラウンドテーブルに、セラミック天板モデルを新たにラインナップに加えた。イタリアのフィアンドレ社のセラミックを使用。天板色はブラックおよびホワイトの2色から選択できる。


会場のいたるところで、単体での展示のほか様々なアイテムと組み合わせて展示されていたのは、セシリエ・マンツ氏がデザインした、ソファやチェアなど多様な家具との組み合わせが特長の新作テーブルコレクション「SHOTO」。深澤氏やモリソン氏が手がけてきたこれまでのマルニコレクションの各アイテムに合わせることができる、汎用性のあるアイテムだ。

MARUNI COLLECTIONのリビングアイテムの充実に合わせて、サイズバリエーションも豊富にラインナップ。脚はスチールと木の2種から選択できる。

縁に若干のふくらみをもたせてあることも「SHOTO」の特徴の一つ。

これまでのマルニコレクションで取り扱ってきた全ての樹種に対応。写真はウォールナット材によるものだ。

マンツ氏の「EN」に寄り添うように置かれていたモデルは、カフェなどの店内の雰囲気にも沿うような、“荷物置き”に使うことなどを想定したという。大きなダイニングテーブルの上に配置して、高低差をつけた空間づくりなどにも寄与できる。同氏の気遣いが表されているアイテムの一つと言えるだろう。

「SHOTO」には、円形テーブルのほかに角形テーブルも取り揃えており、今回の会場には参考出品として、栃木県産の大谷石を天板に用いたタイプも展示。なお、4月のミラノサローネでは茨城県産の真壁石を使用したものを展示した。


ジャスパー・モリソン氏デザインの「Lightwood」シリーズには、アームチェア・スツールにペーパーコード仕様を新たにラインナップした。

今回のMARUNI COLLECTION 2024は、石やセラミックといった、異素材との組み合わせが目を惹くラインナップが目立った。「木」の魅力を活かすための製品開発によって、新たな家具・空間の魅力の創出に期待がかかる。

(佐藤敬広)