【オルガテック東京2024 出展社ピックアップレポート(10)】シンコー 地球環境保護にむけたアプローチを展開

シンコー(名古屋市中川区)は、同展における出展テーマを「やさしさを語らう」とし、未来の地球環境を考えた素材流通、製造への取り組みを主に訴求した。ブースでは9つの取り扱いブランドを掲げたが、その中でもKYKLOS(キクロス)、BIZVA(ビズバ)、MERAND(メランド)の3ブランドについて、地球環境保護に向けた同社のアプローチとして大きく展示した。

シンコーの肥田雅文氏

キクロスは廃棄PVCを回収して同社新工場で再生させる循環型リサイクルレザー張地。ビズバは、生地の染色工程を省くことで環境負荷を低減させた無染色張地。通常、張地は染色の際に大量の水を使用するが、同製品はペレットを溶かすときに染料を入れ、糸にして紡ぐ。化学繊維の糸はこのような無染色がトレンドとなっており、同社もヨーロッパの協力工場を得て、昨年から取り扱いを開始した。

また、同社はポリエステルの再生にも取り組んでおり、メランドはこれにより生まれた。また、張地を粉砕する際にバックコーティングがあると、糸がからまってしまうという問題があるが、メランドは将来のリサイクルに備えてバックコーティングを持たないという特徴もある。このようなリサイクル品は高額になるイメージだが、前述の3製品は価格的な訴求力も維持した製品だという。

その他、メッシュファブリックを主力とする韓国のWintex、断熱材のプライムエナテックジャパン、旭化成のディナミカなどの各ブランドを展示し、ブースは多くの来場客で賑った。