大阪府門真市が2026年春の開館に向け整備を進める新ランドマーク「門真市立文化創造図書館 KADOMADO」の家具調達事業において、「カンディハウス・小久保竜季 共同企業体」が公募型プロポーザルの最優秀提案者に選定された。家具のデザイン・製作・選定を一体で担い、建築と調和しながら利用シーンの変化に対応する空間計画を実装する。
KADOMADOは京阪・古川橋駅前に位置し、図書館機能を核に市民の文化・学習活動と地域活性の拠点を目指す。今回の提案では、建物の象徴要素である1階から屋上までをつなぐ「ギャラリーウォーク」に着目し、その動線と滞留を支えるオリジナル家具(ベンチ、ソファベンチ、チェア等)を計画。来館者の回遊と交流を促す“居場所”づくりを家具で下支えする構成とした。さらに既製品も含む約500点を用いたレイアウトデザインを提示し、親しみやすく長く愛される空間を目標に、用途の変化にも追随する運用性を確保した点が評価された。
同JVは、北海道・旭川を拠点に国内外へ展開するカンディハウスの製作体制と、主任技術者・小久保竜季氏のデザイン/公共空間の経験を統合する布陣。カンディハウスにとっては、公募プロポでの公共施設案件は大阪中之島美術館(2021年、藤森泰司アトリエとのJV)に続く事例であり、当時アトリエ在籍中に同館家具を担当した小久保氏が、今回は独立デザイナーとして再び公共プロジェクトに臨む。民間の試作・量産ノウハウを公共の場へ接続し、意匠・耐久・保守のバランスを図る体制が特徴だ。
門真市の新施設は、情報発信と交流の節点として市内外の来訪者を受け入れ、「次の目的地へと送り出す」トランジット的な性格も持つ。今回の家具計画は、その建築コンセプトに呼応し、移動と滞在のリズムを調える座具群と、可変性に富むレイアウトで構成。人流の膨張・収縮やイベントの切替に耐える“運用解像度”を家具で担保しようとするアプローチで、公共図書館の新しい“使われ方”に応える。なお、開館は2026年春を予定している。





