エーディックス 「nomon」ブランドの展開を加速 展示会出展でブランディング強化を推進 

エーディックス(京都市南区、佐野秀男社長)が、スペイン発のインテリアブランド「nomon」の展開を加速させている。2024年は年初の大川家具新春展を皮切りに、2月の東京インターナショナル・ギフト・ショー2024春、国際ホテル&レストランショーに出展。5月にはオルガテック東京2024にも出展を予定している。

同社は展示会で、基幹ブランドの「a.depeche(アデペシュ)」を中心とした展示を行ってきているが、「nomon」が加わったことにより、これまで以上に多彩で個性的なアイテムを来場者に訴求している。

「nomon」はスペインのバルセロナ発のクロークブランド。大型の円形リングのフォルム、機能としてのクロークのみならず、空間にアクセントを与える存在として、世界でも90か国以上の国々で販売されており、近年ではミラノサローネなどの世界的な見本市においても高い評価を得ている。

大川産業会館で開催された大川家具新春展の出展時には、ブース入口付近に「nomon」のコーナーを設け、その両脇からブース内に入ることができる構成となっていた。

奥にはアデペシュブランドのチェアやテーブルなどを並べた。直売店も卸売業も手掛けるエーディックスだが、「nomon」ブランドの製品などについて、大川家具新春展では九州・西日本の販売店などが興味を示してきたという。販売店サイドとしても、現状を打開すべく個性的なアイテムの導入を検討する企業が増えてきているようだ。

国際ホテル&レストランショーでは、壁面全体に「nomon」ブランドの製品を大々的に展示。また、高級ソファレーベルの「Jiku」を新たに立ち上げ、オーク無垢材を使用したアイテムなど、日常の時間の流れから解放するような製品提案を行った。販売店むけの製品よりも、より個性が際立つデザインのアイテムが出揃っていたが、ホテル&レストランショーの来場者ではレストラン関係もさることながら、特にホテル旅館関係からの引き合いが多くあったようだ。

特に「nomon」ブランドのクロークへの反応がよく、次いでテーブルやオブジェなどのアイテムが注目される傾向にあったという。「nomon」ブランドのようなデザインのアイテムは、国内で他に流通しておらず見る機会がないという点で、来場者も「違い」を求めて同社のブースを訪れているようだ。実際に、草津温泉を本拠にもつ法人も同社ブースを来訪。ロビーやスイートルームなどへ置くインテリアアイテムを求めていたという。

エーディックスの小原真一常務は「和の空間をもつ旅館でも、『nomon』のような西洋のアイテムを求めるようになってきているのは、温泉旅館のユーザーへの訴求ポイントが、温泉地を訪れて”何が経験できるか、どのような想い出が残るか”という点を第一に訴求するからのようです。『温泉の癒し・効用』というものは、その次にくるもののようですね」と語る。温泉地には数多くのホテル・旅館が存在するが、温泉自体の泉質よりも、その地でいかに印象的な体験ができるか。その一つのアクセントとして、「nomon」のような唯一無二の個性的なインテリアアイテムへの需要があることが見てとれる。

アデペシュららぽーと海老名店

同社は昨年3月にららぽーと愛知東郷店(愛知県東郷町)、同4月にららぽーと門真店(大阪府門真市)、同6月グランフロント大阪店(大阪市北区)を出店。「アデペシュ」店舗は全国で10店舗を数える。ららぽーとなどの商業施設を訪れる若年層・ファミリー層などへの認知を高めている。