柏木工(岐阜県高山市、関ひろみ社長)は、「ANIMAS(アニマス)」、「SEN(セン)」などを軸とした提案を行った。
「ANIMAS(アニマス)」という名称は、ラテン語の「ANIMA」:“生命”や“魂”といった意味をベースにした造語だ。木材が元々持っている自然の表情や迫力を、家具にダイレクトに使用していきたいという考えのもと開発された。
サイドテーブル、ラウンドテーブル、ダイニングテーブルのラインナップ。
椅子の造形なども手をかけた仕上げであり、全ての材料を魅力的に見せる造形となっている。レッドオーク材およびウォールナット材で展開している。
チェアのオプションのクッションは、ズレを防止したカバーリング仕様。
クッションを載せても張り座の椅子のような造形となる。
肘は最小限に設定し、全体でなるべく無駄な線を排し、素材感を活かした造形としている。一点一点で表情が異なることから、量産品とクラフト品の中間のような位置づけとして、来年の2月発売を目指して開発中。木の魅力を感じることができるアイテムとして期待が高まる。同社でもこのようなコンセプトでの商品開発は初だったという。
昨年発表した「シラス」は、家具用塗装の「シラス」が2024年度のグッドデザイン賞を受賞した。ニュートラルカラーが好評だといい、インテリア的な需要もあり、手頃な価格で提供していることから、形と価格、風合いのバランスのとれた商品として、人気が集まっている。
塗装のアプローチで新しい家具を作るということを行ったことがなかったが、組み合わせ・コンビネーションの点で、顧客からも魅力的にアイテムとして注目されている。
新たにオーダーテーブルも、来春の発売に向けて開発中。デザインのブラッシュアップ、選べる天板の種類を増やしている。従来品よりもリーズナブルな天板規格となるリアルグレイン規格、通常の28㎜、40㎜のタモ材およびウォールナット材に、好みの脚を組み合わせることができる。
シラス塗装など挑戦的なデザインとしながら、柏木工としてのオーダーテーブルとして、どのような位置づけであるべきかといった要素も踏まえながら、顧客の要望に対して柔軟性を持たせられるよう進めているという。
「GECCA(ゲッカ)」シリーズの新製品も発表した。
大杉テーブルとともに、国産のケヤキ材および、背に孟宗竹を活用した和風空間や畳敷きの場に適するそり脚タイプのダイニングチェアを新たにラインナップ。
1本1本の竹材を曲木して背もたれにしており、バネのような感覚が特徴。孟宗竹は中国が原産だが、日本国内で自生しているもののみを使用している。
「セン」シリーズには、イージーチェアが加わった。
これまで同シリーズはナチュラルカラーでの提案だったが、ダーク系の墨色のものも開発し、日本の落ち着いた表情を、塗装色や張地でも表現。ホテルのロビー等の空間にもマッチする佇まいで、イージーチェアとしては10㎏ほどと、軽さも特徴だ。また、ソファは新たに革張り仕様が加わり、インテリア提案の幅を広げている。