【2024「第56回大川家具新春展」ピックアップ④】高野木工 イギリスの伝統を尊重したウィンザーチェア「Un chair(アンチェア)」などを発表

高野木工(福岡県筑後市、高野太輔社長)は、2024年の大川家具新春展において、大川産業会館および同社本社ショールームで新作家具を展示した。

ベトナムの提携工場で製作したモデルとなる「Un chair(アンチェア)」は、西洋の伝統を継承するウィンザーチェア。材種はホワイトオークおよびウォールナットの2種。サイズは幅510㎜、奥行505㎜、高さ745㎜だ。ビス留めをして製作された比較的安価なウィンザーチェアも多い中、同社ではイギリスの伝統を尊重し、構造部はホゾ組みで接合している。250Rの半円の開発は、これまで同社でも例がなかったという。

当初は国内での一本の曲木による開発を目指したが、木材価格などとのバランスを考慮しベトナムでの生産となったようだ。同社企画開発課の堤照典氏は「曲面の部分など、開発に時間をかけたアイテムですので、個人的に特に思い入れのある製品です」と話す。

「SWELL chair(スウェルチェア)」も、ベトナムの提携工場で製造されたアイテム。こちらも材はホワイトオークおよびウォールナットから選択できる。張地はホワイトオークがブラックおよびホワイト、ウォールナットがブラックのみとなっている。

サイズは幅470㎜×奥行515㎜×高さ720㎜(座面高440㎜)。波がうねる強さを表す「Swell」の名のごとく曲線をデザイン。安定した座り心地が特長だ。若干の改良を経て販売開始を予定している。

ソファの「LANA(ラナ)」は、リネンとコットンが使用された生地で、ふんわりと包み込む座り心地が特長だ。ファブリックカラーはアイボリーとグレーの2色。1人掛け、2.5人掛け、3人掛けの3サイズをラインナップした。オプションでは2.5人掛けおよび3人掛け用のクッションおよびスモールクッションも取り揃えている。シートのクッションおよびバッククッション、背もたれは全てカバーリング仕様。替えカバーの販売も行っている。

同じくソファの「SELUM(セラム)」は、牛革セミアニリン総革張りのソファだ。2.5人掛け、3人掛けタイプをラインナップしている。同社の革張りのソファとして、2種類目のアイテムとなった。背面などの一部にはスプリットレザーを採用。ファブリックカラーはキャメル、アイボリー、グレーの3種だ。重さを支えるS字バネとウレタンとのバランスがアピールポイントだ。コイルスプリングと比較して、重量も抑えられることもポイントの一つ。脚部はホワイトオークおよびウォールナットから選択でき、通常高さ160㎜の脚を80㎜残しまでカットが可能だ。中国の提携工場で製作するアイテムとなる。

ショールーム1階には、試作の伸長式テーブル「ORP(オープ)」が展示された。天板が400㎜伸長するダイニングテーブルで、ストッパーとピンによって固定される。ホワイトオークおよびウォールナットから選択可能。幅1400㎜~1800㎜タイプと1600㎜~2000㎜タイプの2種をラインナップ。造りを簡素化して、価格帯をリーズナブルにおさえた。