
Torri Lana(トッリ・ラナ)はガンディーノという地域で1885年に創業し、元々は高級婦人服向けの生地を生産していたが、今からおよそ50年前から椅子張り用のテキスタイルが事業の主体となった。以降、カッシーナ家やジオ・ポンティといった著名なデザイナーと協業をはじめて成長を遂げ、同地域では著名な老舗となり、工場に20台以上のジャカード織機を有するまでになった。

今年の同社ブースの新作は、「COZY」というテーマが掲げられた。色合いは茶色などの落ち着いた色合いの他モノトーンが中心で、どちらかというと明度が高く、白基調の張地が多い。とりわけ目を引くのは、白のシェニール糸でつくられたまるでぬいぐるみのような手触りの優しい張地だ。新作の中でも存在感があり、ブースではその張地を適用したチェアも展示された。その空間に居心地がよく、優しい雰囲気を与えるようなテイストで、まさに同社の掲げるテーマに沿ったものだ。
同社に限らず、今年のプロポステにはこのような優しいテイストや、空間に柔らかくなじむ色合いのものが比較的多く見られた。同社担当者は弊紙インタビューで、「それは世相を表しているのかもしれません。COZYも張地の『やさしさ』を表現した新作なのです」と語った。テキスタイルトレンドも世界の潮流を表現しているのかもしれない。
(長澤貴之)
torrilana.it
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