
世界70か国以上で展開するスペインの大手テキスタイルメーカー、アクアクリーン社は、今年もプロポステに出展した。同社は昨年に続いての出展で、今年は新たに発表したFR(難燃)対応の新シリーズ「GLOW(グロウ)」を中心に訴求。明るくやわらかな色調を多く取り入れた同シリーズは、国内外の来場者から注目を集めた。
同社の主力製品「アクアクリーン」は、繊維表面に特殊コーティングを施すことで、汚れの繊維内部への浸透を防ぎ、水だけで簡単に汚れを除去できるのが特長。この高いメンテナンス性と機能性が評価され、すでに70か国以上で流通している。

会期中、ブースには同社社長のラファエル・パスクアル氏も来場。インタビューに応じ、「当社は糸から最終加工までを一貫して自社で行う数少ない『バーチカルカンパニー』です。これまで日本では主にホームユースでの採用が中心でしたが、今後はホテルや商業施設といったコントラクト市場への展開も強化していきたい」と語った。
さらに同氏は、近年のトレンドの変化についても言及。「従来は汚れを気にして濃色が好まれる傾向にありましたが、当社製品では明るい色でも汚れを落としやすいため、ライトカラーの需要が増加しています。実際、現在の販売構成はライトカラーが約8割を占めています」と明かす。
今回の新作では、GLOWシリーズのほか、リサイクルリネンやコットンを混紡したサステナブル素材の提案も見られた。世界的にFRの重要性が高まる中、日本ではまだ必須条件とされていないものの、今後の需要拡大も予想される。製品価格についても、欧州製ながら比較的手ごろな価格帯(上代8,000〜9,000円程度)で設定されており、機能性・価格の両面で競争力の高いラインナップとなっている。
同社のテキスタイルは今後、日本国内のホテルや公共施設など、より広範な分野での採用が進む可能性があり、引き続きその動向が注目される。
(長澤貴之)